月刊社会民主

『月刊社会民主』2月号が近日発売~特集は「戒厳令を阻んだ韓国民衆に連帯」

 

   武力で民主主義を抹殺する強権の発動は許されない。尹錫悦大統領は、2024年12月3日夜、突如として、1987年の民主化以降初めてとなる「非常戒厳」を宣布し、政治活動を禁じ、報道機関を統制下に置こうとした。戒厳軍兵士が国会に集結し、窓ガラスを破壊し国会内に乱入した。

これに対して、国会関係者や多くの市民が体を張って抵抗した。12月4日深夜1時過ぎに与野党議員190人の賛成で「非常戒厳」の解除が決定され、その4時間後、政府が正式に解除した。民主主義の勝利である。

 野党が再提出した尹大統領への弾劾訴追案が14日、国会で可決した。憲法裁判所の審判後に罷免が必至の情勢であったが、尹氏は出頭を拒否し続けた。

 高官犯罪捜査庁と警察で作る合同捜査本部は1月3日、内乱容疑で尹氏の逮捕を試みたが、大統領警護庁職員に阻まれて失敗。15日に再度、逮捕状の執行を試み、ついに拘束し、18日に逮捕した。今後、内乱罪の立件と大統領罷免、政権交代へと近づくだろう。

 一方、日本の憲法改正議論を見てみると、この間、改憲勢力が、緊急事態条項の新設を声高に主張してきた。今回の韓国「非常戒厳」は、緊急事態条項の新設がいかに危険かを見せつけた。「非常戒厳」騒動をしっかり検証し、あらためて緊急事態条項新設の改憲に反対の声を広げていく必要がある。