
会場入口前で抗議のダイ・イン
(6月12日号より)
【千葉】国際的な武器見本市「DSEI japan2025」が5月21日~23日、千葉県の公共施設である幕張メッセで開催された。会場前では350人の市民が抗議。ガザへの攻撃を続けるイスラエルの企業の参加などに対して「死の商人はお断り」「県は会場を貸すな」と声を上げた。
「共犯者と同じ」
抗議行動の主催は市民の有志でつくる「幕張メッセでの武器見本市に反対する会」と「安保関連法に反対するママの会ちば」など。
谷口初江さんの主催者あいさつに続いて、ガザ出身のパレスチ人女性がマイクを握り、「今や30万人以上のパレスチナ人がイスラエルに虐殺されているのに、スーツ姿で会場に入り、武器の商談で利益を得ようとしている人がいるのは信じられない」と強く批判した上で「あなたたち(武器商人)は共犯者だ。恥を知れ」と語気を強めた。
武器取引反対ネットワークの杉原浩司代表は「自治体の公共施設で武器の取引をやってよいのか。ガザを攻撃したイスラエルの犯罪企業のドローンが会場中央に展示されている。憲法9条のある日本でこんなことが許されてよいのか。日本が戦争加害国にならないよう、反対の声を上げ続けよう」と呼びかけた。
参加者は、死者になりきって横たわり抗議の意を表す「ダイ・イン」や人間の鎖、シュプレヒコールなどを行ない、昼休みの会場入口前でアピールした。
集会の前には、社民党・新社会党・市民ネットワーク千葉県などで構成する「共同テーブルちば」が、会場の最寄り駅であるJR海浜幕張駅前で情宣。県の公共施設を武器見本市のために貸し出さないよう訴え、「県に再三中止の申し入れをしてきた。幕張メッセ設置管理条例や千葉県非核平和都市宣言、地方自治法、憲法にも反する」と述べた。
最大規模の出展
武器見本市は今年で5回目。防衛省・自衛隊OBらでつくる実行委員会が主催し、防衛省や経済産業省が後援している。防衛費の増大や武器輸出の規制緩和で、出展企業は過去最大規模の国内外約470社・団体に。イスラエルの軍需企業も20社が出展する。
防衛省は今年度予算で自爆型の攻撃用小型無人機310機の取得費を計上している。杉原さんは「まさか日本政府がイスラエルのドローンを買うことはないと思いたい。日本が戦争の加害国として復活してしまう」と危惧を語った。
22日には、首相として初めて石破茂首相が会場を視察。「装備協力をめぐる日本と同盟国・同志国との連携は、地域の平和と安定を図る上で極めて重要だ」として、武器見本市を高く評価してみせた。
抗議集会には、社民党の福島みずほ党首や立憲民主党、共産党の国会議員らからメッセージが寄せられた。