社会新報

【主張】直接請求署名14万人超え ~ 柏崎刈羽原発の再稼働阻止へ大きな力

(社会新報1月23日号3面より)

 世界一の出力を持つ柏崎刈羽原発の再稼働を迫る政府・経産省・エネ庁の強烈な圧力に危機感を抱いた新潟県内の反・脱原発運動団体や活動家、政党が2024年6月末に一堂に会し、真剣な議論を行なった。
 その結果、「再稼働の是非は県民が決めるべき」との結論に達し、県民投票条例制定を県知事に求める直接請求署名運動に取り組むことを意思統一した。 
 12年前に小さな市民団体がこの運動に挑戦し、その時は残念ながら運動に広がりが見られなかったが、6万以上の法定必要数を超える署名数を得た。しかし、県議会で圧倒的多数を占める自民党の反対と当時の県知事の姿勢により、条例制定はあっさり否決された。その総括を踏まえ、今回は多数の市民団体や政党の参加のもと丁寧な議論を進め、16年からの市民と野党の共闘で培った各地域の連絡調整機能を最大限生かすことにした。
 総選挙が先延ばしになるなか、地域ごとに取り組みの意思統一が綿密になされていった。その後、総選挙のため準備活動をいったん休止したが、選挙終了後直ちに条例制定を求める直接請求を県に提出し、24年10月28日から12月28日まで懸命の署名活動を展開することになった。  
 署名簿を2万7000冊(1冊に10人の署名欄)も配布したので、署名数にかなりの期待感を持った事務局だったが、12月初めに行なった第1次集約で、中枢は真っ青になった。3万ちょっとだった。12年前の市民団体が獲得した署名数の半分であり、法定必要数(有権者の50分の1)の3万6325人にも達していない。年の暮れが近づき、雪も心配だ。各地域で配布された実際の署名簿がどこにあるのか、すべてを把握するのは至難の業だ。あわてた事務局はその後、点検活動を必死で行なった。
 暗雲が漂う中、各地域は12月の3週間を必死で署名活動に取り組み、驚くことにクリスマスを迎えるころには、目標を超えたという報告が続々と事務局に届くようになった。そして土壇場の12月30日には、全県総計で13万3968人という集計結果が出た。
 「柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会」は、今年1月7日に記者会見を開き、署名数が法定必要数の約4倍に当たる14万1092人になったと発表した。同会はいよいよ、知事に対して条例制定の本請求を3月中旬に行なう。条例制定に期待したい。