社会新報

武蔵野郵便局の過労死事件で ~「責任を取らせる会」を結成

亡くなった飯島さんの遺影が写し出されたスクリーン(中央)を前に支援を訴える両親。

 

「武蔵野郵便局の過労死の責任を取らせる会」が9月12日、東京・武蔵野市内で正式に結成された。
過労死事件が起きたのは昨年7月20日のこと。同市内の武蔵野郵便局で働いていた飯島淳さんが、虚血性心疾患により48歳で突然死した。心臓疾患を抱えていたが、府中郵便局から武蔵野郵便局に異動となった9ヵ月後のことだった。
飯島さんは、転勤直後から「忙しくておにぎりも食べられない」「休憩も取れない」「眠れない」「食べられない」「苦しい」と両親らに訴えていた。パワーハラスメントもあったという。亡くなる10日ほど前には、飯島さんは35度を超える暑さの中、午前8時半ごろに心臓発作を起こし、郵便局でうずくまってしまった。発作を起こしたのに、真夏の太陽が照りつける日、バイクにヘルメット、汗だくになりながら残業までして、飯島さんは勤務表どおりに郵便物を配達。亡くなった時、心臓は1・5倍に肥大し、胃に食べ物がなかったという。あまりにも突然の死に、遺族は過労死であると直感し、日本郵便に責任を求めることにした。
遺族は昨年8月、全国一般三多摩労働組合に加入して立ち上がった。今年6月10日、日本郵便に慰謝料など損害賠償を求めて東京地裁立川支部に提訴した。飯島さんにはたくさんの夢と希望があったが、過労死で全てを断たれた。遺族と支援者たちは、過労死が2度と起きない郵便局、社会にしたいと願い、闘っている。組合加入以降、組合と遺族、郵便局過労死家族会は、毎月1回、郵便局前で情報を求める情宣行動を展開している。
「責任を取らせる会」の代表にはJP労組退職者会多摩西連絡協議会副会長の佐藤典夫さんが就き、三多摩医療生協や八王子生活者ネットワーク、三多摩全労協、郵政ユニオン、全国一般三多摩労組が世話人を出している。
9月12日の結成集会には、他に東京全労協、自治労国分寺市職労、自治労昭島市職労、私鉄総連小田急バス労組、府中派遣村労組、三多摩護憲ネットなどの関係者100人超が参加した。現役の武蔵野郵便局職員もこの集会に参加した。会の結成は、解決に向けた一歩だ。解決に向け、読者の皆さまのご支援をよろしくお願いしたい。
「責任を取らせる会」への加入などの問い合わせは全国一般三多摩労組 ☎042(571)1953 メール=so-dan@zsantama.orgまで。

(10月9日号より)