社会新報

【憲法施行79年】憲法大集会に5万人集結 ~「9条守れ」「戦争反対」の声

護憲を訴える社民党の福島みずほ党首(中央)。後列左から「沖縄の風」の伊波洋一参院議員、れいわ新選組の山本譲司幹事長、日本共産党の田村智子委員長、立憲民主党の吉田忠智常任幹事会議長。(3日、東京・有明防災公園)

 

STOP改憲などのボードを掲げる参加者たち。

 

高市早苗首相は今年2月の衆院選で大勝したことなどを受け、1年後をめどに改憲発議を目指す意向を示した。このため、与党の自民や維新だけでなく、野党の国民民主や参政党なども含めて、改憲を求める動きが活発化している。
同時並行で、昨年1月に発足した米トランプ第2次政権は新帝国主義的な他国への軍事攻撃を加速させており、日米同盟の深化を推し進める高市政権への懸念の声も高まりつつある。

「改憲反対」の熱い声

こうした中で、日本国憲法の施行から79年になる5月3日、東京・江東区有明の東京臨海広域防災公園で「つながろう 憲法いかして平和な世界を! 2026憲法大集会」が行なわれ、約5万人(主催者発表)が集結した。主催は同実行委員会。
会場には若者を含めて幅広い年齢層の市民が集まり、熱気にあふれた。
開会あいさつで、憲法共同センター・共同代表の秋山正臣さんは、「国会では改憲派が多数を占めるが、改憲を許さない声を草の根から、地域や職場から、大きく上げていこう」と参加者に呼びかけた。
ノンフィクション作家で日本ペンクラブ前会長の吉岡忍さんは、昨今の日本では「スパイ防止法や国旗毀損法などを制定させようとする動きもあり、国家を巨大化するテコになっている」として、「戦争のできる国になりつつある」と警鐘を鳴らした。
虐待や性搾取される少女を支援する一般社団法人Colabo代表の仁藤夢乃さんは、「戦争が起きる時、最も手軽な支配の手段として使われるのが性暴力だ」と指摘した。

憲法9条が派兵阻止

国会議員からの連帯あいさつも相次いだ。
社民党党首の福島みずほ参院議員は、今年3月の日米首脳会談で高市首相がトランプ大統領に対しイランが事実上封鎖するホルムズ海峡への自衛隊派兵を明言しなかったことを取り上げ、「憲法9条があるから(こそ)自衛隊を送れなかった。9条の威力だ」と指摘した。
その上で、「日本が戦後ずっと戦争をしなかったのは、憲法9条のおかげだ。9条を絶対に変えさせてはならない」と訴えた。
「沖縄の風」の伊波洋一参院議員は、沖縄の島々にこの10年ほどで自衛隊のミサイル基地が次々と造られ、戦争演習や避難訓練が繰り返される実態を語り、「政府の戦争計画をやめさせよう」と訴えた。
日本共産党の田村智子委員長、立憲民主党の吉田忠智参院議員、れいわ新選組の山本譲司幹事長からも連帯あいさつがあった。

スパイ防止法の危険

この後、参加者はアピールボードなどを掲げ、「憲法守れ」「戦争反対」とコールを繰り返した。
「市民連合」共同代表の佐々木寛さんも連帯あいさつを行ない、高市政権に対し「先の戦争への反省を忘れ、戦争に回帰し、改憲へと突き進んでいる」と指摘した。その上で、全国各地で広がる反戦・護憲を求める市民の声を紹介し、「真の民主主義の姿がある」と期待を寄せた。
最後に、3人がリレートークを行なった。
15年前に発生した東京電力・福島第1原発事故の被害を訴える原発事故被害者団体連絡会・共同代表の武藤類子さんは、「原発事故がまだ収束していないのに、原発回帰へと政策転換が進んでいる」と政府と原子力業界を批判した。
核兵器をなくす日本キャンペーンの中島優希さんは、「唯一の戦争被爆国の日本には、核兵器をなくすことを訴える責任がある」と訴えた。
海渡双葉弁護士は、国会で審議中の国家情報局設置法案から今後予定されるスパイ防止法案の流れを解説し、その危険性を訴えた。
さらに、外国代理人登録法案が今後提出される可能性も指摘し、「海外の個人や団体と交流する人が外国代理人とレッテルを貼られ(て規制の対象にな)る。これらが法制化されれば、差別と排外主義が加速する」と警鐘を鳴らした。
集会終了後、参加者は2手に分かれ、「改憲反対」などとコールしながらパレードした。