社会新報

市民監視を強める「国家情報局」~ 参院内閣委で海渡参考人が鋭く批判

海渡参考人が国家情報局設置の危険性を指摘した。(5月19日)

 

参院内閣委員会は5月19日、政府のインテリジェンス(情報収集・分析)機能強化を目指す「国家情報局」設置法案(27日の参院本会議で可決・成立)に関する参考人質疑を行なった。
参考人は、海渡雄一弁護士、元警察官僚で内閣情報調査室(内調)のトップを務めた北村滋・元内閣情報官、小谷賢・日大教授の3人。
質疑では賛成派の北村、小谷両氏に海渡氏がしっかりと対峙(たいじ)した。
海渡参考人は、市民の人権を侵害する法案の欠陥を明らかにし、政府から独立した第三者機関による実効性ある監督措置といった法案修正が不可欠だと強調。結論として以下のとおり述べた。
「良識の府であるべき参院においては、時間をかけて、国家情報局を設立することにどのような立法事実(法律の必要性と正当性)があるのかを徹底審議してほしい。わが国の情報法制の欠陥を是正する法制度の提案とセットでなければ、国家情報局の設立を認めることはできないという立場で、国会議員は一致して立ち上がってほしい。①国家情報局による情報収集の限界の法制化②国家情報局の政治的中立性の確保と警察組織との明確な分離③政府から独立した第三者機関による実効性ある監督措置ーーの3点の法案修正が絶対に必要不可欠。修正がなされないままの法案の制定に強く反対する」
一方、北村元内閣情報官は「ほとんどが国会議員である閣僚によって構成される会議体(国家情報会議)が国家情報局の活動をある意味で統制する。広い意味で民主的統制だ」と我田引水の指摘に終始した。小谷教授も、内調を国家情報局に格上げする必要性を主張した。
なお同法案は、27日の参院本会議で与党や国民民主党、公明党、参政党などの賛成多数で可決・成立。社民党、立憲民主党、日本共産党、れいわ新選組、沖縄の風が反対した。