社会新報

危険な「国家情報局」法案に反対 ~ 国会前で廃案を訴えペンライト行動

「国家情報局」法案を廃案にするために参院で徹底審議すると決意を語る福島党首。右端が海渡弁護士。(5月12日夜、衆院第二議員会館前)

ペンライトを持ち抗議の声を上げる参加者たち。

 

テロやスパイの防止などを名目に政府の情報収集・分析機能を強化することを目的として、国家情報会議とその実務を担う国家情報局を新設する「国家情報局」法案が、衆院で4月23日に付帯決議と共に可決された。

監視組織不在の悪法

参院での審議が始まった5月12日の夜、衆院第二議員会館前で法案に反対する緊急集会が行なわれ、約1300人(主催者発表)が集まった。主催は、秘密保護法対策弁護団など。
主催者あいさつで海渡雄一弁護士は、同法案の目的を「国内の情報を集めて、日本人や外国人の中にスパイがいないかを見分けることだ」と述べ、国家情報局について「どのようなことができて、何をしてはいけないかが、きちんと決められていない」と指摘した。
政府側は「組織法を作るため」と説明するが、海渡さんは「(立法化されて)権限が強化されるのだから、全ての省庁は求められれば情報を提供せざるをえなくなる」「能動的サイバー防御法やマイナンバーカードなどによって集められた情報が、国家情報局に吸い上げられる(可能性がある)」と問題点を挙げた。
さらに、同法案にはチェック機能を果たす監視組織の規定がなく、また国家情報局の政治的中立性を担保する規定もなく、「大きな問題だ」と批判した。

市民から情報収集

国会議員からのアピールも相次いだ。
社民党党首の福島みずほ参院議員は、海渡弁護士の話を受けて、「(政府機関などが)集めた情報が、国家情報局に集約される」と危険性を指摘した。
また、高市首相が同法案に関する情報収集について「普通の人は対象にならない」と答弁したことについて、「普通の人と普通じゃない人をどうやって区別するのか」と疑問を呈した。
福島党首は、今後予定される「外国代理人」登録制度を含むスパイ防止関連法案や、日本版CIAともいわれる対外情報庁の創設の動きも指摘し、「反対の声を大きく上げていこう」と呼びかけた。
日本共産党の大門実紀史参院議員は、同法案に国会や第三者機関による監視の仕組みが存在しないなどの問題点を指摘した。
れいわ新選組の山本譲司幹事長は、自身が衆院本会議で同法案に反対したことを述べ、「国民を監視する戦前回帰の政治を共に打ち破っていこう」と訴えた。

報道機関も当事者

発言の合間に、参加者の皆で「市民監視の法律いらない」「戦争準備の法律いらない」「国家情報局設置に反対」などとコールが繰り返された。
日本マスコミ文化情報労組会議の西村誠議長は、同労組会議の先輩たちから受け継いだ「二度と戦争のためにペンを取らない。カメラを取らない。輪転機を回さない」というスローガンの重要性を語った。
その上で、同法案に反対する理由として、第三者機関や国会による監視機能が全くないことの他、今後予想される外国代理人登録制度などを含むスパイ防止関連法や対外情報庁創設の第一歩となることを挙げた。
最後に、主催者団体の「経済安保法に異議ありキャンペーン」の杉原浩司さんが、「こんな立法事実(法律の必要性と正当性)もない、監視機関もない、何を調べるかも分からないようなデタラメな法案は、廃案にするしかない」と訴えた。