社会新報

2025年 第27回参議院選挙 社民党の選挙公約全文

がんこに平和! ミサイルよりコメを!

 

党首あいさつ

社民党党首 参議院議員 福島みずほ 

 あまりの物価高、実質賃金は上がらない、年金は下がる、生活が苦しい。そんな声を本当によく聞きます。食品の値上げはつらいです。だから社民党は食料品消費税ゼロを即時実現します。働く人の社会保険料は半減にします。パート・派遣などの非正規雇用は4割にもなりました。正社員への転換、最低賃金全国一律1500円を実現します。
 自民党は巨額の企業献金を受け、大企業や富裕層のための政治を行なっています。5兆円だった防衛予算は、今や8兆7000億円、2027年には10兆円以上になる予定です。防衛予算だけうなぎ上り、教育、農業、医療・介護・福祉の予算が圧迫されています。
 ミサイルよりコメ、ミサイルよりメシを、ミサイルより生活です。
 社民党がつくりたい社会は、安心して働き続け、望めば子どもを産み育て、安心して年をとることができる、そんな社会です。
 差別の根絶を目指します。あなたがあなたとして生きられる、包括的差別禁止法や国内人権救済機関を作ります。選択的夫婦別姓や同性婚を実現します。
 戦争させない、平和をつくる、そして差別排外主義をなくす、そのことを社民党は全力でやります。
 あなたの生きづらさが政治の課題です。あなたの生活を、あなたの人生を応援するため、社民党は全力を尽くします。ライフファースト。一緒に政治を変えていきましょう。あなたの隣りに社民党がいます。
 そんな社民党、国会に必要です。どうか応援をお願いします。

 

第27回参議院選挙 社民党の選挙公約全文

 

01 食料品消費税ゼロ即時実現! 物価高から生活を守ります

 

〇食料品消費税ゼロを即時実現します
 コメの価格が前年比で約2倍も高騰するなど、食料品の値上げが止まりません。総務省「家計調査」によれば、2024年の1世帯当たりの食費は月約8万5000円。家計の消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は28.3%とOECD諸国でも最高レベル、低所得世帯ほど食費の負担がさらに重くなっています。食料品の高騰が個人消費を押し下げています。物価高から暮らしを守るため、食料品消費税ゼロを即時実現します。必要な財源は約5兆円、防衛費の引き下げや、法人税・所得税の累進性の強化で十分賄えます。

〇大企業・富裕層へ応能負担の税制改革へ!
 消費税が導入されて30年、日本の税制は富裕層・大企業優遇の不公平税制になりました。最大40%だった法人税率は、23%にまで引き下げられ、本来、社会保障に充てられるはずの消費税が法人税減収の穴埋めになっています。さらに法人税優遇措置により巨大企業の実効税率は10%台!
 所得税の累進課税も弱められました。株など金融所得には一律20%しか課税されず、所得が1億円超える人の負担が低くなる「1億円の壁」も大問題です。法人税の引き上げや金融所得課税の分離課税方式を廃止して総合課税に移行し、累進税率を適用することで税の再配分機能を高めます。

〇600兆円に膨れ上がった内部留保金に課税を!
 トランプ関税で日本の雇用に深刻な影響が出た場合は、3年間消費税ゼロを断行し、内需拡大を図ります。使い道のない大企業の内部留保に課税し、消費税減税の財源や、中小企業の賃上げ支援の原資にします。中小零細事業者・個人事業者に重い負担になるインボイス制度は中止します。

 

02 最低賃金1500円 社会保険料半減、労使1:3に

 

 物価高で困窮している生活を底支えするために、最低賃金全国一律1500円の早期実現と社会保険料の労使負担割合を1:3にし、手元に残る賃金を増やします! 中小零細企業の負担増加分は国の公費助成で補填します。

〇非正規社会からの脱却を!首切り反対!
 雇用は原則正規雇用にし、公務職場も含めて非正規労働拡大に歯止めをかけ、正規労働への転換を強力に進めます。社会を支えるケア労働者(介護職員、保育士など)の賃上げ、待遇改善をします。政府は首切り放題の「解雇規制」の緩和をもくろんでいます。社民党は、大企業優先の労働法制改悪に反対し、働くひとたちの生活と権利を断固として守り、拡充します。

〇若者・現役世代が希望を抱ける社会に!
 「出生数68万人」、「国民負担率46.2%」、「実質賃金マイナス1.8%」…若者、現役世代を取り巻く社会情勢は深刻で、将来への絶望感が広まっています。今こそ、国や地方自治体などの公的支援を拡充すべきです。大学までの高等教育の教育費無償化を実現します。無償化実現までは、奨学金を原則給付型として、一定期間の返済後は残債を免除する制度導入をめざします。また、インクルーシブ教育を推進し、国籍や経済状況、障がいなどを問わず、すべての子どもが学べる権利を確立します。
 安心して出産・子育てできる社会にするために、出産の保険適用や子ども医療費の無償化、保育料全面無償化、年少扶養控除を復活します。性別関係なく子育てと仕事ができる社会へ改善していきます。

 

03 最低保障年金月10万円実現! 介護・医療費負担軽減で安心な老後を保障します!

 

〇最低保障年金10万円の実現目指す
 今年は5年に1度の年金改定の年です。基礎年金は満額でも月7万円に満たず、生活保護における生活扶助基準を下回っています。特に就職氷河期世代など、非正規雇用で厚生年金に加入できず国民年金に未納や免除がある人は、満額の基礎年金を受け取れず、低年金・無年金になっています。実際、基礎年金受給者の平均月額は5万7700円しかなく、60歳以上の約3割が生活保護を受給しています。基礎年金が老後の生存権を保障する機能を全く果たせていない現状を、速やかに是正しなければなりません。社民党は、月10万円の最低保障年金を全ての高齢者に給付する制度の設計を急ぎます。

〇介護保険の立て直しを
 訪問介護の基本報酬引き下げは、介護事業所、とりわけ小規模訪問介護事業所の経営に大打撃を与えました。2024年度の介護事業所の倒産は過去最多を記録し、そのうち半数は訪問介護事業所でした。また、介護報酬の低さは介護従事者の低賃金の原因となり、介護現場は慢性的な人手不足です。社民党は、臨時の報酬改定で介護報酬を引き上げ、介護従事者の賃上げや処遇改善を図り、持続可能な介護保険制度を再構築し、介護サービスの質を維持します。

〇医療と住宅の充実で老後の安心を
 医療費の窓口負担軽減の実現、国公立病院の閉鎖などに反対します。医療機関によって負担が大きく、いまだトラブルも絶えないマイナ保険証の取得強制に反対し、現行の健康保険証を継続させます。患者の負担増や受診控えにつながる高額療養費制度の自己負担限度額の引き上げに反対します。
 居住は権利です。高齢者や低所得者、障がい者、子育て世帯など住宅の確保が難しい人々に対して安心して住まいを確保できるよう支援する住宅セーフティネットを強化するとともに、空き家の利活用など公営住宅の増設・整備をします。

 

04 地震大国に原発はいらない! 防災省を創設し災害対策に全力

 

〇原発ゼロ・自然エネルギー100%の社会へ
 福島第1原発事故の教訓を風化させず、脱原発をすすめます。40年超の老朽原発の再稼働などあり得ません。被災者、避難者への生活保障と被ばく管理を行ない、住民の健康を守ります。福島原発の処理汚染水の海洋放出に反対です。

〇防災省を設置し、巨大地震への備えを強化
 南海トラフ大地震や首都圏直下地震など、地震がいつ起きても不思議ではありません。防災省を設置し、自衛隊の一部を防災対策に特化した災害救助隊に改編するなど、大災害に備えます。高度成長期に建設されたインフラの老朽化も深刻です。無駄な公共事業を見直し、防災・減災に向けたインフラの整備を進めます。

〇気候変動対策は待ったなし
 地球温暖化の影響が広がって、台風や豪雨、熱波など異常気象が多発し、環境や生活に深刻な影響をもたらしています。脱炭素と脱原発をセットで目指し、「グリーンリカバリー」(環境と両立する産業を育成し雇用を創出する)を推進します。

 

05 農家の所得を増やす! 地域交通を残す! 日本の食卓と地域コミュニティを守ります!

 

〇農家を元気にし、米価安定と食料自給率50%即時達成!
 「令和の米騒動」は減反政策など長年にわたる自民党農政の失敗が原因です。社民党は、農家への所得補償を実現し、種子法の復活、休耕地の活用などで地域の農業を元気にします! 後継者育成や若年層新規参入の支援などで小規模農家を活性化し、食料自給率50%の即時達成、コメなど農作物の流通と価格安定を実現し、日本の豊かな食卓を守ります。
 有機農業の推進で食の安全性も高めます。学校給食の全面無償化実現と地産地消への学校給食を支援していきます。

〇地域交通を充実させ、循環型の地域経済で地域コミュニティを守ります!
 安心して住める地域、住みたくなる地域を目指し、自由に使える地方交付金を倍増します。通院・買い物などすべての人の「移動の権利」を保障します。
 エネルギーの地産地消を目指します。

 

06 ジェンダー平等・多文化共生社会の実現!

 

〇日本をジェンダー平等な国に!
 男女の格差を是正します。すべての女性の人権が尊重され、安心・自立して暮らせる社会を目指します。
 日本は、世界経済フォーラムが男女の格差を数値化した「ジェンダーギャップ指数」の値で世界118位(148ヵ国中)、G7の最下位という恥ずかしい状況です。クオータ制度を導入して女性の政治参画を推進するなど、ジェンダー平等のための制度の整備をはかります。

〇結婚の自由をすべての人に
 婚姻は、当事者の自由な意思で決めるべき問題です。事実婚や同性婚を保護する法制度を整備し、戸籍婚だけではない、多様な家族が共存する社会のために法整備を進めます。選択的夫婦別姓制度、同性婚を早急に実現します。

〇包括的な差別禁止法と人権救済機関を
 社民党はあらゆる差別に反対です。罰則規定のある差別禁止法をつくります。移民、難民を排除するのではなく、多文化共生の社会を目指します。

 

07 沖縄・日本を再び戦場にさせない!

 

〇日本の軍事化反対!核なき世界を!
 イスラエルによるイラン攻撃に断固抗議します。ウクライナやガザの即時かつ恒久的停戦を実現し、人道支援を進めます。被爆・戦後80年、戦争を放棄した憲法9条を持つ国として戦争被爆国として、核兵器禁止条約の早期批准を求め、核なき世界と被爆者問題の政治解決を実現します。敵基地攻撃能力の保有、辺野古の新基地建設、沖縄はじめ全国のミサイル基地や弾薬庫の建設、空港・港湾の軍事利用などに断固反対します。

〇憲法をくらしに活(い)かし、外交でアジアの平和を!
 沖縄での米兵による多発する性犯罪、全国の米軍基地の環境破壊の元凶となっている不平等な日米地位協定の改定を早急に実現します。軍拡増税は論外です。軍事予算は削減し、くらしにこそ税金は使うべきです。今こそ憲法を活かした政治を実現します。戦争絶対反対! 外交力でアジアの平和をつくります。