社会新報

「生きづらさ」吐き出して ~ 大椿副党首と和田靜香さんトーク

和田さん(左)と大椿副党首が熱く語り合った。(昨年12月15日、東京・東中野)

 

(社会新報1月23日号3面より)

 

 社民党副党首の大椿ゆうこ参院議員とライターの和田靜香さんが12月15日、東京・東中野の映画館「ポレポレ坐」のカフェスペースで、トークイベント「みんなの『つらい』を吐き出してあなたと『生きる』社会を考える」を開催した。
 大椿さんと和田さんが知り合ったのは、和田さんの著書『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた』を読んだ大椿副党首が、その中の労働組合に関する記載についてXポスト上で和田さんにコメントしたことがきっかけ。その後、昨年8月に大阪で最初の対談を行なっており、今回はその第2弾だった。 
 今回は、韓国の尹錫悦大統領の弾劾訴追案が可決された翌日だったことから、対談は韓国民主主義の活力についての話で始まった。大椿副党首は、「尹大統領の女性嫌悪政策を批判する若い女性と労働組合のベテランが分断されず共闘している点が韓国の魅力だ」と述べた。これを受けて和田さんは、「芸術と政治とがしっかりつながっており、映画などのエンターテインメントを通して民主主義の勝ち取り方を学べるのが韓国民主主義の素晴らしさだ」と応じた。 
 話題はそこから、日本の選挙、とりわけ11月の兵庫県知事選の話に。和田さんは、「SNSの情報を見て真実を自分で見つけたような気になり、斎藤知事に心酔してしまった有権者の気持ちが理解できる」として、政治家との距離の取り方が難しいと打ち明けた。大椿副党首は、「政治家を信仰したり、何かをしてほしいと頼り切ったりするのは適切ではない」と応じた。
 さらに大椿副党首は、自身が勤務先の大学に解雇された当時を振り返り、「有期雇用なのを承知で契約を交わした自分を責める気持ちもあったが、労働組合の組合員が『有期雇用がおかしいという感覚は間違っていない』と背中を押し、就労闘争などの現場に応援に来てくれたからこそ、解雇撤回闘争を闘い抜けた」と述べた。その上で、「一人では無理でも仲間と共になら闘う方法があると伝える政治家になりたい」と語った。
 話は税と社会保険料の壁の問題にも及んだ。和田さんは、税・社会保険の制度が「サラリーマンと専業主婦」という家父長制モデルに立っているのが問題で、生活を支えるためには最低賃金の引き上げを優先させるべきとの考えを述べた。
 大椿副党首も、「男女ともに経済的に自立して税金を納められるよう、最低賃金の引き上げと第三号被保険者の見直しの議論を行なうべき」と応じた。