社会新報

日本版CFIUSは謙抑的に ~ ラサール幹事長が参院財金委で指摘

対日投資規制でただすラサール石井参院議員。(5月28日)

 

社民党幹事長のラサール石井参院議員が5月28日の財政金融委員会で、海外からの対日投資の審査体制を強化するための改正外為法案(29日の参院本会議で可決・成立)について質疑を行なった。
同法案は、外国法人による間接投資を規制対象に加えることをはじめ、対内外国投資の審査を厳格化するためのさまざまな改定が行なわれる。その中でも注目されているのが、昨年10月の自民・維新連立合意に盛り込まれた、対日外国投資委員会(日本版CFIUS)の創設である。
ラサール議員は、連立合意において、本来は経済安全保障政策というべき日本版CFIUSの創設が「人口政策および外国人政策」の項目に書かれていることを取り上げ、「政府が外国人一般の経済活動に対する規制を強化しているととられる。排外主義を助長してはならない」と指摘した。
財務省が作成した資料には、日本版CFIUSは財務省と国家安全保障局(NSS)とが共同議長を務め、経済産業、防衛、外務の各省が主構成員となる組織の形が示されている。しかし、政府が日本版CFIUS設置の根拠と説明する同案69条の4は、「財務大臣及び事業所管大臣は…内閣総理大臣、外務大臣その他の関係行政機関の長の意見を求めなければならない」と定めるのみである。
ラサール議員は、「この条文は財務省が説明するような組織を作る根拠に全くならないのではないか」とただしたのに対して、財務省の参考人は「新たに行政機関を設けるための規定ではないが、国家安全保障局を共同議長とする対日外国投資委員会の省庁横断的な体制を法制上担保するものとなっている」と答弁した。
米国のCFIUSは、1975年以降、現在に至るまで、11件の対米投資差止を行なったが、そのうち9件は最終所有者が中国籍の企業に関するものであり、うち1件についてはその処分が適正手続きを定めた合衆国憲法修正第5条に違反するとの連邦控訴裁判所判決が出された。ラサール議員は、「対日投資の規制は国家間の深刻な対立の火種にもなるため、極めて謙抑的に行なうべき」と指摘した。(6月11日号より)