社会新報

財政民主主義を無視した予備費3兆円の補正予算を厳しく批判 ~ ラサール幹事長と西尾政審会長が会見

ラサール幹事長(左)と西尾政審会長。(6月5日、参院議員会館)

 

ラサール石井幹事長(参院議員)と西尾慧吾政審会長が5日、参院議員会館で会見し、同日に参院本会議で成立した2026年度補正予算に反対した理由や、高市衆院議員事務所の関与が疑われている中傷動画問題、国家情報会議設置法成立を批判する幹事長談話などについて語った。

補正予算は、歳出総額3兆1135億円のうち、3兆135億円が予備費(一般予備費復元のための5135億円と中東情勢等対応予備費2兆5000億円)である。幹事長は約3兆円の予備費に関して次のように厳しく批判し、補正予算反対の理由を述べた。

「予備費をあまりにもざっくりと積み過ぎ。一体何に当てるのか、運用の仕方が全く分からない。これはあまりに、乱暴だ。補正予算に関する各省庁のレクチャーを受けたが、説明も不明確だった」

国家情報会議設置法に関する幹事長談話では、情報機関の暴走を止める規定がなく、「著しいプライバシーの侵害につながる」と懸念を表明。同法に続くスパイ防止法制として外国代理人登録義務化や日本版CIA(米中央情報局)といわれる対外情報庁の創設が進められることに危機感を示した。

そして、高市早苗衆院議員の事務所が総裁選と衆院選中に他候補を誹謗(ひぼう)中傷する動画の作成と拡散を業者に依頼していた問題について、幹事長は「首相は不誠実な答弁を続けている。もう詰んだ状態だ」と厳しく批判した。

LGBT理解増進法の基本計画については、その不十分さを指摘しつつ、「さまざまな制度的差別の解消を進めていかなければならない」と述べた。

西尾政審会長も、今回の補正予算に反対した理由として、「東日本大震災やリーマンショックの時でさえ、1兆円以下であったことを踏まえるとあまりにも大規模だ」と指摘。その上で、予備費の予算付けが「予測がつかない予算の不足に備えるもの」という憲法87条の規定にそぐわないとして「財政規律の面からも、財政民主主義の面からも適切ではない」と批判した。

中小事業者の状況に目を向ければ、資材不足による事業継続が困難だという声が地方から上がっている。にもかかわらず雇用調整助成金の申請件数が少ないのは、「申請する気力すら起きないくらい状況が厳しいのが地域経済の現実ではないか」と指摘した。最後に、大阪都構想のための住民投票の範囲を大阪市外に広げようとする維新に対し、「地方自治の観点から大変問題」と述べた。