
参院選出馬の決意を語るラサール石井さん。(6月30日、参院議員会館)

ラサール石井さんと福島党首(右)。
タレントで演出家のラサール石井さん(69歳)が6月30日、社民党公認候補として参院選比例区から出馬することを表明する記者会見を、参院議員会館で行なった。
社民党は公職選挙法上の国政政党要件を維持するため、「比例代表で2%以上の得票」などを目指し、今回の参院選を「正念場の戦い」と位置付けている。
ラサール石井さんは、進学校のラ・サール高校を卒業して早稲田大学に進学したが、後に大学を除籍となった。
「コント赤信号」のメンバーとして活躍した後、舞台・ドラマ・映画などで俳優や演出家として活躍している。
昨今は、芸能活動の他、メディアやSNSで社会的な発信を続けている。
公共重視の社会を
ラサールさんは記者会見で、昨今の日本の社会・政治情勢について「公共というものが無くなりつつある。武器を爆買いする一方で、国民が細々と生きているような国が、強くなれるはずがない」として、「人々が笑顔になれるような、今日も明日も不安を感じることのない国を、皆さんと共につくっていきたい」と抱負を語った。
なぜ社民党から立候補するのか? ラサールさんは「社民党を新しく変えようと奮闘する福島みずほ党首に魅力を感じ、一緒に戦いたいと思った。社民党は存続の危機にあるが、無くなればこの国のタガは外れる一方だ」と語った。
ラサールさんは近年、政権や政治権力者などに対する批判的な発信をメディアやSNSで積極的に続けている。こうした言動に対し、「芸能人が政治を語るな」などとたびたび批判されるという。また、そうした権力批判のため、仕事への悪影響も少なくないという。
党の存亡をかけた闘い
ラサールさんはこれについて、「政権を擁護する人が政治的な発信をしても普通にテレビに出ている。要は、政権を批判する人は口を閉じていろということだ。私も(権力批判の発信を)諦めようかと思うこともあった。だが、諦めずに政治的な発言を一つの仕事としてやっていこうと決めた」と語った。
同席した福島党首は、現在の日本の政治・社会状況に対して「すさまじい危機だ」と警鐘を鳴らすとともに、今回の参院選を「党の存亡をかけた戦い」と位置付けた。
その上で、「ラサール石井さんや他の予定候補者らと共に社民党を変え、政治と社会を変えるために、大きな力を発揮したい」と語った。
消費税ゼロを目標に
質疑応答も行なわれた。
「自民党など大政党から立候補する芸能人が多い中で、なぜ社民党なのか?」との質問に対し、ラサールさんは「議員になりたいだけであれば、できるだけなりやすい政党から立候補するのが当たり前だ。だけど、私は皆と一緒に社民党を変えていくことにやりがいを感じた」と応じた。
「選挙で特に訴えたい政策は何か?」との質問に対しては「消費税をゼロに」「社会保険料を半分に」「最低賃金を(時給)1500円以上に」を目標とする、と語った。
「社民党の支持率がなかなか伸びない原因はどこにあると思うか?」との質問に対し、ラサールさんは次のように応じた。
「人は『正しい』だけでなく『面白い』とか『躍動できる』ようなイメージがあってはじめて、ついて来てくれる。だから、『古い』とか『融通がきかない』というイメージをちょっと変えるだけで、人々はついて来てくれるのではないか」
また、先の「政治的発言とメディアの問題」と関連して、一般社会での政治的発言についても次のように語った。
「飲み会なんかで政治の話をすると『空気を読めないやつ』とか『面倒くさいやつ』と言われるような空気を変えていきたい。皆が普通に政治の話をして、激論を交わしても友達のままでいられるような社会でなければ、『成熟した国家』とは言えないと思う」