社会新報

労働環境の改善を求める切実な声 ~ 党と労組の懇談会に10単産が参加

党と労組の懇談会。各労組が抱える課題が出された。(13日、参院議員会館)

 

(社会新報2月27日号2面より)

 

 社民党と労働組合の懇談会が13日に開かれ、「合流」問題の混乱が収束して以降最多の10単産の代表者が参加した。
 初めに福島みずほ党首(参院議員)があいさつ。昨秋の衆院選で与野党が逆転したことを評価した上で「(大軍拡、社会保障切り捨ての)今年度予算案は認められない。労働法制の改悪や有事法制の総仕上げである能動的サイバー防御法案にも反対する。通常国会で成果を挙げたい」と述べた。
 続いて大椿ゆうこ副党首(参院議員)と新垣邦男副党首(衆院議員)があいさつ。その後に、労組の出席者が職場の状況や社民党への要望などについて述べた。主な内容は以下のとおり。

下水道対策に予算を

 ▽埼玉県八潮市での道路陥没事故が衝撃を与えているが、どこでも起きる可能性がある。下水道の実態を知ってほしい。水道整備の維持、管理に向け予算の拡充を(全水道)▽森林の整備、集約が進んでいない。山間の労働者の生活向上、自治体の負担軽減の対策を(森林労連)▽厚労省で同一労働同一賃金制度の見直しが始まった。平均賃金の計算に齟齬(そご)がある。スキマバイトでのつなぎ問題を追いかけたい(全国ユニオン)。

農業戸別所得補償を

 ▽コメの値段が上がっても農家の収入が増えるわけではない。基本計画で戸別所得補償制度の復活を求める。省庁で農水省だけ定員が減り続けている。定員増を(全農林)▽関西生コン事件はこの1年で大手メディアでも取り上げるようになった。今後、検察・警察などの責任追及で国家賠償訴訟を起こす(全日建)▽JR発足から37年が経過、ローカル線廃止の動きが千葉でも出ている。JRの組合組織率は国労以外も含め14%。会社との交渉相手として労組を認めさせるよう努力したい(国労)。

介護など人材確保を

 ▽公的医療機関の経営状況が厳しい。介護・生活保護・児相での人員確保と配置基準の見直しをお願いしたい。「103万円の壁」では地方財政をどうするかと合わせて検討を(自治労)▽東京など、ようやくタクシー労働者が増え始め、稼げるようになったが、全産業では低い。人口減少で経営が成り立たない地域に公的な支援が必要。大阪万博でのライドシェア自由化は阻止を(全自交労連)▽インボイス制度で職人が課税業者になり、負担が大きい。特例措置の延長が25年で切れる。埼玉県議会で廃止を求める意見書が自民党主導で採択された(全建総連)▽日本の港湾労働者の賃金は海外に比べ低く、春闘で4万円の賃上げを要求する。特定利用港湾制度が始まり管理は地方に。防衛省などは「災害対策」と言っているが、有事で民間が使われる(全港湾)。
 最後に福島党首が、これらの要望や意見の実現に向け、院内外で奮闘する決意を述べた。