5月31日に投開票が行なわれた新潟県知事選で、社民党新潟県連が支持した土田竜吾さんが、現職の花角英世さんに約32万票差で敗北した。本来ならば、「柏崎刈羽原発の再稼働の是非を県民投票で決めること」を求めて24年秋に取り組んだ条例制定直接請求署名運動で獲得した14万人の代弁者を擁立するべきであったが、かなわなかった。
しかし、それができない中で、立憲民主党の37歳の県議・土田さんが決意し、連合がいち早く参戦を決め、社民党県連も陣営に加わった。新社会党や緑・にいがたも加わったし、条例制定運動を担った市民団体も選対の一員となったことは画期的であった。共産党は自主支援とならざるを得なかったとはいうものの、新潟に根付いた「市民と野党の共闘」スタイルは実質的に維持された。選対本部長には社民県連と立民県連の県議が就くなど、それなりの布陣となった。
しかしながら、土田さんは敗北を喫した。まず投票率の低さである。前回知事選より2・24ポイント下がり、47・40%という過去3番目の低さであった。柏崎刈羽原発が、いくつかのトラブルがありながらも4月に商業運転してしまったこと、土田さんの主張が再稼働反対ではなく、県民意思を尊重するため常設型県民投票条例を制定するという分かりにくいものとなったことが要因であろう。現に出口調査では、再稼働に否定的な人の約4割もが花角さんに投票した。(6月11日号より)
近年の知事選でも衆院選でもそうだが、野党側が勝つためにはその候補を支持する野党各党の8~9割の支持を確保した上で、無党派層の6~7割を取り込むことが必須。今回、土田さんは無党派層の3割しか取り込めず、逆に花角さんに6割が取り込まれた。
さらに、大きな敗因の一つと考えられるのが、土田選対の基盤を支えるべき衆院議員全員が中道改革連合所属であり、しかもその5人中3人が2月の総選挙で敗北した人たちであったこと。地域住民を掌握し、自分が懸命に推す候補への支持を訴える力が、現職と落選者ではやはり雲泥の差があると言わざるを得ない。そして、中道の基本政策の曖昧さが、立民出身の土田さんの原発政策の曖昧さとオーバーラップしてしまった。原発推進が国策である以上、政府と対峙(たいじ)する政策を訴える政党が今ほど必要な時はない。そのことを思い知らされた新潟県知事選の敗北であった。