社会新報

【主張】中部電力データ不正 ~ 組織的隠ぺい 浜岡原発再稼働ありえぬ

不正を繰り返す中部電力にはもはや原発を再稼働する資格はない。
中部電は浜岡原発(静岡県御前崎市)3、4号機の再稼働に向けた安全審査で、基準地震動(想定される地震の最大の揺れ)のデータを意図的に小さく見せかける不正操作をした。昨年2月の公益通報を受けて原子力規制委員会が調査を開始した後も、データ改ざんを繰り返していたことが規制委の7月中間調査報告で明らかになり、組織的な隠ぺい体質があらためて浮き彫りとなった。
安全審査の根幹を揺るがす不正を容認していた経営陣の責任は重大だ。
規制委の調査によると、中部電は原子炉建屋などの耐震設計の前提となる基準地震動を想定内に収めるため、算出根拠となる地震波のデータを都合よく抽出していた。
データの不正抽出の手口は悪質だ。中部電は規制委に対して無作為に抽出した20の地震波から平均に近い1波を代表波に選定すると説明していた。しかし、実際にはあらかじめ代表波としたい波を決めた上で、それが平均になるように他の19波を都合よく選んだ。地震動を評価する部署が、設計担当部署に対して、多数の地震波に「○」「△」「×」などと評価させた。「○」は設計に影響がなく選んでほしい波。「△」は影響がなくても選んでほしくない波。「×」は影響する可能性がある波。この中から「○」印の波を代表波に選定し、さらに抽出方法に修正を加え、不正を上塗りした。
そもそも浜岡原発の不正問題は今に始まった話ではない。2002年以前に14件ものデータ改ざんなどが発覚。09年には5号機が想定設定基準越えの揺れを記録したにもかかわらず過少に見せかけるデータ改ざんをした。24年には社内規定に違反して安全対策工事の仕様を変更し、数十億円の未精算金を発生させた。
中部電は現在、社内の第三者委員会が事実関係や原因の究明を進めている。規制委は中部電の調査結果も踏まえ、今夏にも処分を決定する。組織ぐるみの極めて悪質な不正であり、厳正に処分すべきだ。
規制委が審査の過程で不正を見抜けなかったことは深刻な問題である。基準地震動の選定プロセスを全てオープンにし、中部電とは独立した外部の機関が監査する仕組みへ抜本的に改める必要がある。社民党はデータ改ざんの徹底究明と浜岡原発の再稼働を阻止するために全力を挙げる。(7月23日号より)