社民党の福島みずほ党首は10月29日、参院議員会館で会見を行ない、日米首脳会談について、高市首相の露骨な対米追従ぶりを厳しく批判した。
福島党首は「日米首脳会談の中で、高市首相が防衛予算を増額するとしたことについて、社民党は強く抗議したい」と訴えた。「元々、2027年にGDP費2%、10兆円にする目標だった。それを前倒しして今年度中に、GDP費2%にするという。今後、さらに3%に引き上げるなどGDP費で防衛費が極めて増大してしまうのではないか」と、福島党首は懸念を表明した。「教育や社会保障の予算カットがさらに進むのではないか」と警戒した。
高市首相が米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に停泊中の米原子力空母「ジョージ・ワシントン」で「トランプ氏と共に最も偉大な日米同盟をさらなる高みに引き上げる」と表明したことについても、福島党首は「戦争しないと憲法に掲げている日本の首相として不適切だ」と批判した。「横須賀では、原子力空母の母港化に反対する運動がある。そうした中で、このようなことをするのは問題だ」(同)。
トランプ大統領をノーベル平和賞候補として推薦すると髙市首相がアピールしたことに対して、福島党首は「本当に驚くべきことで抗議したい」と述べ、「ガザに対するイスラエルの攻撃をトランプ大統領は支援し続けている」「イスラエルのネタニヤフ首相やロシアのプーチン大統領に逮捕状を出したICC(国際刑事裁判所)にトランプ大統領は制裁をする、今後も精査を強化するとしており、ICCが維持できるかどうか大問題となっている。法の支配、国際人道法に反している」と指摘。「トランプ大統領にノーベル平和賞を推薦するということが、日本の政治のメッセージとして世界に発せられることは、本当に問題だ」と怒りの声を上げた。