社会新報

【2月19日の福島党首会見】参院選福岡県選挙区に那須敬子さん擁立決定を発表~防衛予算の急増を許すな~原発回帰の第7次エネルギー基本計画を厳しく批判~3月3日からの核禁条約締約国会議に党首を派遣へ

 

 

    社民党の福島みずほ党首が2月19日、参院議員会館で定例記者会見を行ない、同日の党常任幹事会で参院選福岡県選挙区に公認・新人の那須敬子さん(65)を擁立することを決定したと発表した。那須さんは、党福岡県連副代表で、福岡県立高校の社会科教諭、福岡県教組の執行役員などを務めた。

 党首は、国会で大詰めの協議を迎えている2025年度予算案について「社民党は、103万円の壁を上げることも、高校の授業料の無償化に向けて大きく踏み込むことにも賛成だ」としたが、うなぎ上りに増額される防衛予算について「8兆6691億円であり、文教関係費の2倍、農林関係予算の3倍以上に跳ね上がっている。この予算案は根本的に認められない」と一蹴した。

 「以前、軍拡分の増税として所得税に4%くらいを上乗せする案が出たが、反対が多くなければ、いずれ軍拡大増税が進むのではないか。軍拡大増税には絶対に反対だ。今の自民党がどこに向かって政治をやっているのかが、この予算に如実に表れている。米国のご機嫌をとり、軍需産業のために軍拡予算を組む。とんでもないことだ」と厳しく批判した。

 次に、前日の18日に閣議決定された第7次エネルギー基本計画に関して「社民党はこのエネルギー基本計画は大問題だと思う。パブリックコメントに4万件以上の声が寄せられたのに、何も反映されていない。『可能な限り原発依存度を低減する』との文言が削除された。福島第1原発事故の教訓を忘却するものだ」と厳しく批判した。「同じ敷地内であれば、原発は新規増設が可能にする。原発1基を8000億円くらいで新規建設できるとするが、コストは非常に高騰していて、諸外国では1基数兆円かかっている。原発は安全でも安価でもない。原発推進ありき、原発回帰のためのエネルギー基本計画だ」と鋭く指摘した。

 また、3月3日からニューヨークの国連本部で開催される核兵器禁止条約締約国会議に、社民党は福島党首を派遣する予定で、同条約への日本の一刻も早い批准や唯一の戦争被爆国日本の立場などを訴える。

 通常国会では、選択的夫婦別姓制度や同性婚の実現、再審法の改正などに全力を尽くし、能動的サイバー防御法案は安保3文書の一環であり、戦争を誘発する恐れがあるとして、反対していくと強調し、3月にも国会提出予定の日本学術会議法人化法案についても、学術会議への政府介入を強める内容であり反対を表明している。