
靖国神社に集団参拝する「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の議員ら。(8月15日)
敗戦から81年を迎えた8月15日、東京・九段北の靖国神社には多くの参拝者が訪れた。
高市早苗内閣の閣僚では、小泉進次郎防衛相、小野田紀美経済安全保障担当相、城内実経済財政担当相、黄川田仁志こども政策担当相の4人が参拝した。
高市首相は日本のかつての戦争加害や植民地支配の「負の歴史」を軽視する姿勢をとり続けるが、この日は靖国参拝を見送った。代わりに、自民党総裁として私費で玉串料を納め、日本武道館から靖国神社の方角に「2拝2拍手1拝」の遥拝をした。
超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長は逢沢一郎自民党衆院議員)の約90人(代理を含む)も同日午前、集団で参拝した。自民・日本維新の会・国民民主党・参政党・チームみらいの国会議員など。
この集団参拝の他、自民党4役のうち3人も参拝するなど、国会議員の参拝が相次いだ。
外交損なう「内交」
靖国神社は昭和初期から国家神道の役割を強め、戦没者への感謝と顕彰(ほめたたえること)の気持ちを利用した「戦争遂行のための装置」の役割を果たしてきた。
さらに、同神社には極東国際軍事裁判(東京裁判)でA級戦犯とされた14人(うち2人は判決前に病死)が合祀(ごうし)されている。だが、日本はこの判決をサンフランシスコ平和条約で受け入れたはずだ。
これらのことから、日本の閣僚や国会議員など「国民の代表者」による靖国参拝や玉串料などの奉納は、A級戦犯を英霊として認めることに直結する。当事者が自らの「思い」をいくら強調しようが、公職者の行為は外形的に判断されるべきものだ。
また、こうした行為は、憲法が定める「政教分離原則」に抵触する可能性が高い。
特に小泉防衛相の参拝は、問題が大きい。日米同盟のさらなる深化と防衛力増強が進む中、自衛隊と旧軍の連続性を世界に発信することにつながる。
靖国神社に参拝した閣僚や国会議員の多くは「愛国」や「英霊への感謝」の気持ちを述べるが、日本のかつての植民地支配や戦争加害の実相について述べることはほとんどない。
「靖国組」の政治家らは、自らの支持者へのアピールと引き換えに日本の世界での信用力を低下させていることに気付くべきだ。