【談話】東日本大震災・福島第一原発事故から14年にあたって
社会民主党
幹事長 服部良一
- 2011年3月11日の東日本大震災・福島第一原子力発電所の事故から14年目をむかえた。国内観測史上最大のマグニチュード9.0の巨大地震と、東北・北海道・関東の沿岸を襲った大津波によって、死者・行方不明者は2万2200人以上に上っている(震災関連死含む、2025年2月現在)。未曾有の大災害の犠牲者の冥福をあらためてお祈りし、生活・地域の再生に奮闘されているすべての皆様に、心からの敬意を表したい。
- 被災地の復興が進み、再び暮らしや生業を復活しようと住民たちが奮闘している中、自民党政治や司法によって被災者・被災地を踏みにじる愚行が立て続けに起きている。まず、2月18日に石破政権が閣議決定した2040年度の電源構成など国のエネルギー政策の指針を記した「第7次エネルギー基本計画」は、福島第一原発事故以降の方針であった「可能な限り原発依存度を低減」という文言を削除し、原子力を再生可能エネルギーと共に「最大限活用」することとし、さらには原発の建て替えを促進する原発回帰の内容となった。国の政策がもたらした福島第一原発事故の反省と教訓を忘却する愚行であり、基本計画を撤廃するべきだ。
- また、3月6日最高裁判所第二小法廷にて、福島第一原発事故を起こした刑事責任を問われた東京電力の旧経営陣の無罪が確定した。最高裁は、1審・2審の津波で原発事故が起きる予見性を否定する判決を支持した。原発事故は、原発周辺の病院から避難を強いられた入院患者ら44人が亡くなり、故郷や生業を奪われた多くの原発避難民を生み出した。それにもかかわらず、旧経営陣に対して刑事責任を問わなかった司法へ憤りを隠せない。旧経営陣への無罪確定をもって福島第一原発事故の責任追及が終わってはならない。福島第一原発事故が起きた事実は決して変わらないからだ。
- 昨年1月1日に発生した能登半島等地震では、志賀原発にて電源系統の遮断など多数のトラブルが起きた。さらには、避難経路の道路も通行止めとなり、実際に原発事故が起きた場合住民らは避難できなかったことは明白である。かつて、珠洲市に珠洲原発を建設する計画があった。今回の地震の震源はその立地予定地だった。地元住民らの必死の抵抗により計画は白紙となったが、もし建設され稼働していたら悲劇は免れなかったであろう。地震大国の日本で原発を稼働することは不可能である。原発は即時停止、即時廃炉にするべきである。
- 2023年8月に東電が強行した福島第一原発事故で発生した処理汚染水の海洋放出が今なお続いている。海洋放出は漁業関係者や被災県民、国内外の関係者全ての人々の声に背き、復興に向けて尽力している東北の人々を裏切る行為である。即時の中止を求める。
- 東日本大震災から14年となるが、改めて震災と原発事故の教訓へ真摯に向き合う時である。社民党は、軍事費増に断固反対し、インフラ整備・公共事業は防災対策に特化していくと同時に、脱原発・自然エネルギー100%の社会の実現に向けて頑張る決意だ。
以上