2025年3月27日
社会民主党
幹事長 服部 良一
- 3月25日文部科学省が求めた「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」への解散命令請求について、東京地裁は旧統一教会に解散を命じる決定をした。宗教法人に対する解散命令は3例目で、民法の不法行為を根拠とする事例は初である。解散命令が確定すれば旧統一教会は宗教法人格を失う。社民党は、東京地裁の解散命令を歓迎する。
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教団は、遅くとも1980年代より信者がさまざまな問題などを抱える人たちに対して問題解消のために献金を迫り、「霊感商法」など本人や近親者の生活維持に重大な支障が生じる献金を繰り返させた。献金の勧誘行為は約40年の長期間にわたり、被害者は約1560人、献金総額は204億4800万円にものぼった。
地裁は、一連の勧誘行為は宗教法人法が解散の要件とする「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」に該当すると認定した。そして、司法機関が教団に対して勧誘行為が法令上許されないとの判断を繰り返し受けたにもかかわらず、対応が不十分であり、教団に改善を期待することが困難なため、教団の解散はやむを得ないとした。長年問題を放置してきただけでなく。教団と癒着してきた自民党の責任は極めて重い。
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旧統一教会は解散命令に不服として東京高裁へ即時抗告することを表明した。高裁が地裁決定を支持すれば実質的に解散命令が確定し効力が生じる。他方で、解散命令が確定し教団が宗教法人格を失っても税制上の優遇措置を受けられなくなるだけで、宗教活動は続けられる。信教の自由は保障されるべきだが、悪質な献金の勧誘行為が続く恐れがある。
何よりも被害者の救済が不十分である。2023年12月に成立した被害者救済法へ教団の包括的な財産保全に関する規定が盛り込まれなかった。日弁連はこの問題点に加えて、教団解散後の教団を管理する「清算人の権限強化」など財産の保全措置や被害者救済のための立法措置を求める意見書を公表した。
- 解散命令をもって旧統一教会の一連の問題は終わらない。旧統一教会と深く関係していた自民党からその関係性や政策への影響などの説明がまったくなされていない。社民党は、被害者救済の実現と旧統一教会と自民党との癒着の全容解明に向けて、引き続き自民党と旧統一教会への追及を強めていく。