声明・談話

【談話】韓国大統領選の結果にあたって

2025年6月4日

社会民主党

幹事長 服部 良一

 

  1.  昨日韓国大統領選挙が投票、即日開票され、野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補が当選した。隣国で政権交代が実現したことは、北東アジアの平和にとって大きな希望であり、心より新大統領の誕生を祝福する。
  2.  大統領選の発端となった昨年の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の「非常戒厳」宣布は、武力で議会制民主主義を抹殺する暴挙であった。政治活動を禁じ、報道機関を統制下に置き、国会議員の逮捕までもくろんだ暴挙は国会関係者や多くの市民の体を張った抵抗によって「非常戒厳」は解除された。まさに韓国の民主主義の勝利であった。尹大統領はその後1月15日内乱罪で逮捕され、4月4日韓国の憲法裁判所が大統領罷免を宣告、今回の大統領選となった。保守「国民の力」の金文洙候補は尹氏の弾劾に反対した強硬派であり、李在明候補は「内乱勢力だ」と批判、事実上非常戒厳令への審判でもあった。
  3.  社民党は、昨年7月に福島みずほ党首を団長とした代表団で訪韓し、韓国国会議長や「共に民主党」はじめ野党4党の国会議員等と北東アジアの非核化や少子化、東電福島第1原発からの処理汚染水など幅広いテーマで意見交換した。また、「共に民主党」の国会議員らが訪日された際には、社民党と意見交換するなど交流を重ねてきた。

     韓国が新政権となる中で今年は日韓条約締結60周年を迎える。今年戦後80年を迎えてもまだ過去清算がなされているとは言えず、植民地支配の反省に立った謝罪や賠償問題に真摯に向き合いつつ、同時に未来志向の日韓関係を構築する絶好の機会としなければならない。日韓には少子高齢化社会や格差貧困問題など共通する課題も多い。また対中・対朝鮮敵視の日米韓軍事協力の強化ではなく、政権交代を実現した韓国の民衆とともに北東アジアの非核平和構築に向けて奮闘することを決意するものである。

     社民党はさらなる交流を重ね、日韓両国が真の友好関係を築けるよう尽力していく。

 

以上