声明・談話

【談話】自民党西田昌司参議院議員の『ひめゆりの塔』発言に抗議する

2025年5月8日

社会民主党全国連合  幹事長 服部良一

 

 5月3日、那覇市で開催した憲法シンポジウム(主催:沖縄県神社庁、神道政治連盟沖縄県本部、日本会議沖縄県本部、日本会議沖縄県地方議員連盟 共催:自由民主党沖縄県支部連合会)にて、自民党の西田昌司参議院議員が「ひめゆりの塔」の展示内容が「ひどい」と非難した上で、「日本軍がどんどん入ってきて、ひめゆり学徒隊が死ぬことになり、アメリカが入ってきて沖縄が解放されたという文脈で書いてある。歴史を書き換えるとこうなる」と批判した。言語道断の暴言であり、社民党は西田議員の発言を決して許さず、謝罪と発言の撤回を強く求める。

 そもそも、西田議員の「ひめゆりの塔」の展示内容に関する発言は事実無根である。ひめゆり学徒隊の凄惨な体験を伝えるひめゆり平和祈念資料館の普天間朝佳館長は「西田氏が言及した記述は現在も過去もない。発言は、後世に絶対戦争を起こさせないために伝えようとした方々の気持ちを否定し冒とくするものだ」と抗議した。

 7日、西田議員は記者会見で展示内容について「20年以上前に視察へ行き、私が展示を見てそう理解した。展示の文章は覚えてないが、そういう印象を持った」と説明した。内容を覚えていない過去の印象から「ひめゆり学徒隊」の凄惨な体験を冒とくしたことに呆れるばかりだ。さらに、西田議員は発言を撤回しないと断言した。曖昧な記憶から事実に基づかない印象を吹聴した上で、周囲から指摘を受けても開き直る西田議員の態度は政治家として由々しきものだ。

 西田議員の発言に対して、沖縄県では玉城デニー知事が「認識錯誤も甚だしい」と糾弾し、沖縄県議会では自民党も含む全会派で抗議決議を検討している。自民党も西田議員に対して即座に謝罪と発言の撤回を求めなければならないのは当然だ。

 沖縄・南西諸島でミサイル基地など軍事力が強化され、戦場にされる不安や危険性が広がっている中で、こうした放言を断じて許すわけにはいかない。

 社民党は、西田議員の謝罪と発言の撤回を強く求めていくと同時に、沖縄の凄惨な歴史を風化させず、また一切の戦争準備に反対し護憲・平和運動に力を尽くしていく。

以上