【抗議文】福島第一原発事故による汚染土の再利用に対する抗議文
福島第一原発事故による汚染土の再利用に対する抗議文
石原宏高環境大臣 殿
社会民主党は、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴い、福島県内の除染で発生した汚染土を、福島県外に搬出し、公共施設等で再利用する環境省の方針に強く抗議する。
2026年8月30日、環境省は、福島県内の除染で発生した放射性セシウムを含む汚染土を、さいたま市のさいたま新都心合同庁舎1号館に搬入し、花壇の土として再利用した。使用された土壌は、放射性セシウム濃度が1キログラム当たり4,000ベクレルとされ、約1立方メートルが使用された。
現地は人通りの多い場所であり、JRさいたま新都心駅から徒歩数分の場所に位置する。周辺には大型商業施設や医療機関があり、学校等も存在する。このような生活圏に、住民への説明や合意形成を欠いたまま、放射性物質を含む汚染土を持ち込んで再利用することは、到底容認できない。
また、8月29日には仙台市においても汚染土の再利用が開始された。これは、環境省が福島県外における汚染土の再利用を本格的に拡大していくことを示すものであり、極めて重大な問題である。
環境省は、放射性セシウム濃度8,000ベクレル/kg以下の汚染土について、一定の条件の下で「復興再生利用」を可能とする基準を設けている。しかし、基準値以下であることのみをもって、住民の不安や懸念を置き去りにし、生活圏への搬入・再利用を進めることは許されない。
これまで環境省は、東京都の新宿御苑、埼玉県所沢市、茨城県つくば市において、汚染土の再生利用実証事業を実施しようとしてきた。しかし、いずれも地元住民や自治体等から強い反対・懸念が示され、実証事業は廃止に追い込まれている。
こうした経緯があるにもかかわらず、環境省は今回、十分な実証を行うことなく、また住民への説明や合意形成を経ることもなく、仙台市、さいたま市への汚染土の搬入・再利用を強行した。このことは、これまでの住民の反対や懸念を無視するものであり、極めて問題である。
そもそも、放射性物質を含む汚染土を、福島県外の生活圏に搬出し、再利用することについて、地域住民が十分に情報を得て、意見を述べる機会が保障されなければならない。国が一方的に「安全性」を説明し、住民の理解を得たものとして事業を進めることは、民主主義と住民自治の観点からも看過できない。
さらに、福島県内の除染に伴い発生した汚染土については、これまで中間貯蔵施設において集中的に管理されてきた。それにもかかわらず、放射性物質を含む汚染土を全国各地に搬出し、再利用することは、放射性物質を集中して管理するという考え方と相容れず、今後、全国各地への再利用を拡大することにつながりかねない。
社会民主党は、今回の仙台市およびさいたま市への汚染土の搬入・再利用について、強く抗議する。
あわせて、環境省に対し、以下の事項を強く求める。
記
1.仙台市およびさいたま市に搬入・再利用した汚染土について、直ちに撤去し、適切な管理下に戻すこと。
2.住民への十分な説明と合意形成を経ることなく、汚染土の県外搬出・再利用を進めないこと。
3.今後予定している全国各地での汚染土の再利用計画を直ちに停止し、廃止すること。
4.汚染土を全国各地に拡散させる再利用政策を撤回し、放射性物質の集中管理を基本とする政策へ転換すること。
以上
2026年8月31日
社会民主党