1、本日、修正された「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律案」が衆議院を通過した。廃止された金融機能安定化緊急措置法との間に法的空隙がおきないよう、「早期健全化スキーム」の成立を急がなければならないということは、党の一貫した主張であった。
2、この早期健全化緊急措置法案の成立にあたって、党が最も強力に主張した点は、この緊急措置法案が貸し渋り対策を通じて、地域経済や雇用対策に資するものであることを国民に鮮明に示すこと、個別銀行の救済だという国民的批判を受けるものであってはならないことの二点であった。すなわち、金融機能安定化緊急措置法の運営の二の舞を繰り返さないということが、党の最大の眼目であった。,
3、この結果、自民党から出された修正案では、(1)情報開示の義務化、(2)金融再生委員会による経営健全化計画の履行状況報告の義務化、(3)虚偽報告に対する罰則の明確化と追加など、前進がはかられるとともに、修正法案には盛り込めない部分においても((1)運用での中小企業への貸付け計画の記載、(2)将来における時価法の採用の検討、(3)金融再生委員会の人選、決定過程、審議過程の透明化など)進展が見られた。また、金融機関からの政治献金禁止については、「辞退することを決定した(すでに辞退している)」旨の返答が自民党からあった。よって党は同法案に賛成をしたところである。
4、しかし問題がすべて解決したわけではない。早期健全化スキームが適用される銀行の基準と、特別公的管理が適用される銀行の基準は未だ不明確である。この法案が真に貸し渋りに資するものかどうかも運営にまたなければならない事項が多い。また、自民党の「金融機関からの政治献金は辞退する」という決定も、公的資金を注入した金融機関からであって、すべての金融機関からの献金禁止については依然不透明である。
5、党はこのような諸点について、参議院段階での審議でさらに詰めた議論を行っていきたい。