甲山事件の控訴を批判する(談話)

1998年4月7日

社会民主党

幹事長伊藤茂

 

 社会民主党は「甲山事件」で差し戻し審の神戸地裁が無罪判決を言い渡したことを高く評価した。その上で、事件発生から24年、起訴からでも20年が経過した裁判をこれ以上長期化させることは、憲法が保障する「迅速な裁判を受ける権利」を明白に侵害するものであり、検察当局は控訴を断念すべきである、との声明を発表した。

 ところが、神戸地検は、差し戻し審の無罪判決を不服として控訴した。このたびの控訴は「疑わしきは被告人の利益に」という刑事訴訟の大原則にも反し、裁判に対する国民の信頼を著しく損ねるものであると言わざるを得ない。

 社会民主党は「控訴権は国民の信託を受けて検察官が行使しており、濫用すべきでない」との指摘が寄せられる今回の控訴を厳しく批判せざるを得ない。