1998年10月15日

国鉄清算事業団長期債務処理法案の成立にあたって(談話)

社会民主党 幹事長 渕上貞雄

 

1.本日、参議院本会議で日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律案が可決し、同法案が成立した。そもそも国鉄分割・民営化の負の遺産である長期債務問題は、歴代政府・運輸省・大蔵省の無為無策のツケ以外の何物でもない。しかしながら社会民主党は、利息が利息を生む長期債務についてこれ以上先伸ばしすべきではなく、この機会に何としてでも打開の道筋を付けるため、様々な問題を残していながらも、政府案のスキームをやむをえないものとして受け入れざるをえなかった。

 

2.特に焦点となった年金のJR追加負担問題については、野党共闘を追求したが、各党の歩み寄りは見られないことから、党は、JRがとどこおりなく債務を返済していることを踏まえながらも、試案としてJR負担を軽減圧縮するという提案を行い、自由党・自民党と共同で修正を行った。関係者の理解を得つつ与野党のこう着状況を打開するための政治判断であったが、このかんの党の対応への批判については、厳粛に受け止めたい。

 

3.法案は成立したが、様々な問題が残されている。例えば、元本償還財源の手当を今後どうするのかについては、特別会計・特定財源の見直し、総合交通会計・総合交通政策の推進が不可欠になってくる。その他、党が委員会審議で主張した、本州3社を除く赤字会社・貨物会社への支援、利用者の利便性の確保や全国的な鉄道ネットワークを整備・維持する仕組みの欠如等を補填する方策の確立、事業団職員の雇用対策等課題は多い。党は、今後も公共交通の再生の視点を重視し、これらの諸課題に対応していく。

 

4.あわせて、国鉄分割・民営化の未解決問題であるJR不採用問題については、大きな社会問題となっており、人道上の観点からも和解による早期解決に向けて政府・関係者が打開のための真摯な努力を行うよう強く求めるとともに、党としての取り組みも強化していく決意である。