1998年5月29日
パキスタン共和国
ムハマド・シャリフ首相閣下
昨日貴国が行った核実験にたいして、社会民主党は強く抗議するものであります。
今月のインドの核実験にたいして、貴国が冷静な対応をとられることを国際社会は求めていました。それにもかかわらず、間をおかずに貴国が核実験に踏み切ったことに、私たちは深く失望しております。
インドが今月核実験を強行した時、わが党はいちはやく抗議行動を起こし、日本政府が経済支援の凍結と見直しを行うよう要請しました。私たちは、残念ながら貴国にたいしても同様の要請をしなければなりません。
広島、長崎の悲惨な被爆体験をもつ日本国民は、核軍縮から核廃絶という真摯な努力をし、世界各地の平和を求める人々と連帯してきました。21世紀には、何としても人類を核の恐怖から解放することは、私たちの責務であります。
わが党は、貴国が直ちにこれ以上の核実験をしないことを表明し、核不拡散条約とCTBT条約への参加をすることを要請します。そして、隣国との真剣な平和への対話を行うことを要請します。核弾頭と運搬手段を分離し、保持する核兵器を廃棄しなければなりません。
平和憲法にのっとった経験から、貴国が理性と知恵によって行動する以外に、南アジア地域に平和をもたらす道はありません。貴殿が、真の勇気を発揮されることを強く期待いたします。