神戸市の「住民投票条例」を問う
臨時市議会に対して

                   1998年11月19日

                社会民主党
                     自治体教育生活委員長
                           田 英夫

 神戸空港の建設をめぐり8月中旬から1カ月間にわたって行われた直接署名活動は30万人を超える有権者が署名するという政令都市としてはじめての意志が示されたものとなった。

 この12日から神戸市の市議会は、この有権者の意志をどう受けとめるのかの審議を行い、昨18日、否決するという決定を行った。私ども社会民主党は、地方自治を推進していく上で直接住民の声が行政に反映するこうした制度の充実は欠かせないものであると認識している。とくに、21世紀を目前にして地方都市の各地でその地方の抱える問題の処理に「住民投票条例」が制定され、市民の意志を聞くことによって行政を運営するという手法がとられてきている。

 先日行なわれたアメリカの中間選挙においても同時に40州で住民投票が実施されるなど住民の意志をその都度聞いていくという制度は、民主主義を進めていく上で欠かせないものとなりつつある。我が国においても、地方分権を、という声が地方の首長をはじめ多くの市民のみなさんから高まってきている。

 今回、政令都市としてはじめて神戸市が、その「住民投票条例」を制定するか否かを審議したわけで、社会民主党は、議会がこの条例案を否定し、神戸市の自治と市民参加の道を閉ざす決定をされたことに深い憂慮を覚えるものである。