社会民主党と新党さきがけは、わが国の重大な転換期にあたり、この時期の改革の成果が未来を決定すると考えている。われわれはその遂行に向けて、昨年10月の三党合意を基礎として橋本内閣に協力し、今後も支援していくことを表明してきた。しかし今回の第二次橋本改造内閣人事における佐藤孝行総務庁長官の任命には以下の理由から異議を申し立てざるを得ない。橋本総理は、この人事の持つ重大性を冷静に判断され、毅然として対処されることを申し入れる。
1.いうまでもなく、これからの抜本的な構造改革の達成のためには、国民の支持に基盤をおいた総理と政府与党の信頼関係が不可欠の前提条件である。しかし、佐藤孝行議員の入閣はその前提を危うくするとともに、国民からの信頼を最優先すべきという両党の期待に反する結果となっている。
2.われわれは、ロッキード、リクルート事件などの苦い経験に立ち、政治家・政党が自ら襟を正し、政治に対する国民の信頼回復を目指して今日まで努力を重ねてきた。自由民主党にあっても、金権体質、派閥政治との決別による党の体質改善を図り、国民の信頼回復に努めてこられたはずである。しかし、今回の人事は、自民が三党連立政権の初心を忘れその奢りが出てきているという思いを強くする。
3.われわれ政治家には高い倫理が求められられ、大臣という立場はには、すべての国民に対して責任ある行政の職責を負う特段に厳しい政治倫理が問われてしかるべきである。にもかかわらず、こうした人事が行われたことは、国民の支持を根底から失いかねない。
1997年(平成9年)年9月17日