2002年9月11日
アメリカの同時多発テロから1年を迎えて(談話)
社会民主党 幹事長
福島瑞穂
- アメリカの同時多発テロから1年が経過した。犠牲になられた方々にあらためて哀悼の意を捧げ、お見舞い申し上げたい。いかなる理由があろうとも、テロは決して許されるものではない。国際社会は、英知を結集し、協力してテロとテロの原因の根絶を目指さなければならない。
- この1年の経過を見るとき、「武力による報復」は、なんら問題の解決につながらないことを浮き彫りにしている。空爆にさらされたアフガニスタンでは、幾千もの市民が犠牲となり、国土は破壊され、治安も悪化するなど復興は困難を極めている。また、アメリカによる「武力報復」がイスラエルのパレスチナへの武力侵攻につながり、「武力侵攻とテロ」の応酬が続いている。アメリカは、イラクを「ならず者国家」と断定し、武力攻撃の準備を急いでいるが、これは中東情勢を不安定化し、世界を再び緊張と対立に引き戻すものといわなければならない。
- 「力と恐怖」による抑圧は、怨嗟と対立を激化させるばかりである。今こそ世界は、国連を中心にテロの原因となる貧困や差別、経済格差の解消などに向けて、粘り強く取り組まなければならない。独善を排し、武力によらない「対話と協調」による平和と安定の枠組み作りこそ重要である。
- 9月12日には、日米首脳会談が行なわれるが、小泉首相は、ブッシュ大統領に対して、イラク攻撃に対して支持も支援もできないことを明言するとともに、アメリカの単独行動主義をいさめ、国連を中心とした国際社会との協調によって、問題の解決にあたるよう強く主張すべきである。