2002年7月19日

あっせん利得処罰法改正案の成立について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂

  1. 鈴木宗男衆院議員をめぐる数々の疑惑に象徴されるように「政治とカネ」に関連する不祥事や疑惑がこれほど噴出した国会は、かつてなかった。にもかかわらず、小泉内閣と与党3党は、自らの保身に汲々として責任の所在を明らかにしないばかりか、疑惑にフタをすることで国民の政治不信を増幅させてきた。その責任は極めて重いと指摘する。

  2. 本日の参院本会議で可決・成立した「あっせん利得処罰法改正案」は、国会議員の私設秘書を処罰対象に追加しただけにすぎず、抜け道を許す現行法の問題点を多く引きずったままである。参院の審議で行なわれた参考人質疑では、首長・自治体議員の秘書への適用拡大、「権限に基づく影響力」の削除、第三者供賄処罰の追加についてすべての参考人が賛意を示した。国会には今、自浄能力を発揮して政治倫理を確立することこそ求められている。小手先の法改正にとどめ、政官業癒着体質の解消に本腰を入れようとしない与党の姿勢は、厳しく批判されなければならない。

  3. 国会議員の私設秘書を処罰対象に追加するという今回の与党案は、一昨年秋のあっせん利得処罰法制定の際に、社民党をはじめとする野党側が強く求めてきたものにほかならない。与党は当時、審議中に私設秘書が融資に関する口利き事件で逮捕されたにもかかわらず、最後まで私設秘書を処罰対象に含むことを拒否した。与党は過去の過ちを反省し、改正案の審議においては野党の意見に率直に耳を傾けて修正協議に応じるべきであった。

  4. 宮路和明・前厚生労働副大臣の受験口利き問題を見るまでもなく、口利き政治は自民党にしみこんだ体質である。小泉首相は「自民党をぶっ壊す」とまで豪語して「改革姿勢」を強調してきたが、政官業の癒着構造、利益誘導型政治と金権腐敗体質にメスを入れる姿勢も、またその覚悟もないということは、もはや誰の目にも明らかとなった。社民党は、企業・団体献金の受け皿となる政党支部数の制限、公共事業受注企業からの献金禁止を内容とする野党四党の政治資金規正法改正案の審議・成立を強く求めるとともに、今後とも政治に対する国民の信頼回復に向け全力をあげる。