2002年7月29日
普天間基地移設の基本計画に反対する(談話)
社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂
- 政府は本日、米軍普天間飛行場代替施設の在り方を地元自治体などと検討する代替施設協議会を開き、沖縄県名護市沖の環礁(リーフ)上に軍民共用空港を埋め立て工法で建設するとした基本計画を提案、沖縄県などと合意した。沖縄県民の負担を何ら軽減しない、飛行場の県内移設は到底認められるものではない。同時に1996年12月に日米間で合意したSACO(沖縄施設・区域特別行動委員会)最終報告では、リーフ上の建設、埋め立て工法については言及すらないばかりか、滑走路の長さも基本計画に示された2500メートルではなく1500メートルとされていた。基本計画は、SACO最終報告の合意内容さえ覆しかねない内容である。
- 普天間飛行場の名護市への移転については、1997年12月に実施された名護市民投票によって「建設反対」の明確な民意が示されており、基本計画は名護市民の意思を踏みにじるものである。さらに、政府は代替施設の使用期限を15年間に限定することを求めた稲嶺恵一・沖縄県知事らの主張についても、結論を先送りした。使用期限問題に一貫して消極的な政府の姿勢も問題だが、公約として掲げた使用期限問題に対して何ら方向性が示されなかった以上、稲嶺・沖縄県知事、岸本建男・名護市長は基本計画に反対し、基地受け入れを撤回すべきであった。
- 今月23日には、名護市数久田のパイナップル畑に米軍キャンプ・シュワブ演習場から発射されたと思われる銃弾が着弾した。名護市議会は演習場内の「レンジ10」での実弾射撃訓練の廃止と基地の整理・縮小を求める意見書、抗議決議を全会一致で可決したが、被弾事件後も米海軍は、発見された以外の銃弾を使用して訓練を続行していたことも明らかになった。長年にわたる一方的な米軍基地の押し付けによって、危険と隣り合わせの住民生活は、もはや限界に達している。
- 政府は、代替施設の建設によって沖縄県民に新たな犠牲と負担をもたらすのではなく、県民が望む米軍基地の整理・縮小に誠実に取り組むべきである。同時に、日米地位協定の見直しにただちに着手し、軍事基地に依存しない自立した沖縄経済の確立のためにこそ、支援策を講ずるべきである。
以上