2002年4月19日

井上裕参院議長の辞表提出について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂

  1. 本日、井上裕参院議長は、政策秘書が公共工事受注に絡んで金銭を授受したとされる疑惑について、国会混乱の責任を取って辞表提出した。井上議長は昨日の各会派代表者懇談会で、秘書は金銭を受け取っておらず被害者であること、自分は今回の問題には無関係で建設会社の元社長らとは面識もないとした。しかし、裏金を渡したとされる元社長は井上議長と面識があると伝えられており、昨日の説明内容とは大きく食い違っている。元社長が秘書に返還を求めた金額が1,000万円から6,400万円に変わった経緯なども極めて不明確であった。野党が元社長と政策秘書の証人喚問を求めたことは当然である。

  2. 三権分立のもと、立法府の長としての議長の責任と権威は大変に重い。井上議長は疑惑が取りざたされた時点で即座に説明を行ない、説明が不十分との指摘を受けたならば即座に辞任すべきであった。この点、この間の議長の対応は大変に不十分であり、昨日の議長の説明で事態の収拾を図ろうとした与党の姿勢も遺憾と言わざるを得ない。

  3. 議長職を辞しても疑惑自体は何ら解明されたわけではない。報道されているように政策秘書が公共事業受注に絡んで金銭を受け取っていたとするならば、口利き行為以外の何ものでもない。さらに本人がこれを承知し、関与していた場合は議長辞任にとどまらず、議員の職にとどまることも問題である。社民党は他の野党と協力し、井上議長本人による国会での説明も含め、事実の究明に全力を挙げる。

以上