2002年5月2日

井上裕前参院議長の議員辞職願い提出について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂

  1. 本日、千葉地検は井上裕前参院議長の地元事務所を競売入札妨害容疑で家宅捜索し、半田好雄政策秘書らの取り調べを行なった。これを受けて井上前議長は同日、道義的責任を理由に議員辞職願いを提出したが、辞職は遅きに失したと言わざるを得ない。

  2. すでに報道されているように、半田秘書には建設会社から6400万円の裏金を受け取った疑惑が持たれているが、4月18日の参院各会派代表者懇談会で井上前議長は、同秘書が「6400万円など天地神明に誓って受け取ったことはないと明言している」と説明。自らは、建設会社の関係者らとは「だれとも面識がない」と述べ、疑惑への関与を全面否定した。しかし、6400万円の返済を求める建設会社元社長と半田秘書との会話がテープで残され、井上前議長と元社長との間で面識があったとの報道もあり、井上前議長の説明は極めて不自然であった。

  3. 問題が競売入札妨害罪にあたるとすれば、井上前議長の4月18日の説明はまったくの誤りであったと同時に、議員秘書が公共事業受注に絡んで口利き行為を行ない、その見返りに巨額の金銭を受け取っていた悪質な事件である。今後、井上前議長本人の関与が大きな焦点となる。社民党は、疑惑の全容解明に向けて半田秘書と建設会社元社長、さらに井上前議長本人の証人喚問を強く要求する。

  4. また鈴木宗男衆院議員、加藤紘一前衆院議員の疑惑と合わせ、今回の問題は公共事業をめぐる口利き、政官業癒着といった自民党の金権腐敗体質が温存されるばかりか一層増強されている事実を浮き彫りにした。自民党の体質を変えるための政治改革には後ろ向きの姿勢を取り続ける小泉首相の姿勢を厳しく批判し、社民党は政官業癒着、金権腐敗政治を断ち切るための改革に全力を挙げる。

以上