2002年9月30日

小泉内閣の改造について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂

  1. 本日、内閣の改造が行なわれ、第二次小泉内閣が発足した。「一内閣・一閣僚」を看板に掲げてきた小泉首相が、その公約を破ってまで行なう改造を注視してきたが、主要閣僚の顔ぶれに大きな変化はなかった。なぜ、どのような目的で内閣改造を行なったのか、まったく不明であり、「大義を欠く」どころか「小義」さえ見出せない無意味な改造と指摘せざるを得ない。

  2. 小泉首相が改造前に示した閣僚起用の「基本方針」も、道路関係四公団と郵政事業の民営化という自らの主張を再度強調してみせたに過ぎず、連立三党による政策合意にすらなっていない。第二次小泉内閣の獲得目標・政治姿勢を何ら国民に示さなかったことは、あまりに不誠実である。

  3. 防衛庁による個人情報リスト作成問題が発覚し、有事法制関連法案の審議で答弁に窮した中谷元防衛庁長官、BSE(牛海綿状脳症)対策で国民の信頼を失墜させた武部勤農相の交代については、「とかげのしっぽ切り」と言わざるを得ない。金融機関の不良債権処理をめぐり、公的資金の投入に批判的だった柳沢伯夫・金融担当相の交代については、政府のこれまでの政策が誤りだったのかどうか、今後どのようにして不良債権処理を進めていくのか、小泉首相は明らかにすべきである。

  4. 小泉政権の一年半は、深刻なデフレ不況にもかかわらず、雇用対策や国民生活の改善に背を向けるばかりか、健康保険制度の改悪に顕著なように国民の不安を一層助長させてきた。さらに、テロ対策特措法による米軍支援のための自衛隊海外派遣に続き、有事法制関連三法案の成立に躍起になるなど、その「タカ派的」な政治姿勢も際立っている。社民党は、国民生活を顧みず、日本の将来を危険な方向へ導こうとする小泉内閣と引き続き厳しく対決し、自民党政治を終わらせるために全力を挙げる。