2002年6月14日

健保法案の「強行採決」に強く抗議する

社会民主党政策審議会
会長 大脇雅子

  1. 本日、健康保険法等の一部を改正する法律案が衆議院厚生労働委員会で与党3党によって強行採決された。このような「採決」は当然無効であり、撤回を強く要求する。

  2. そもそも今回の健保法改正案は小泉総理の「公約」である国債発行30兆円枠を厚生労働省に割り振った部分の帳尻合わせを一方的に転嫁したものであり、「医療制度改革」とは無縁のものである。

  3. 本法案は大幅な国民負担増を内容としているだけに、広く国民世論に意見を求め、審議は慎重の上にも慎重を期さなければならないはずである。まし、健保法の審議は、有事法制や個人情報保護法案、郵政公社法案などの報道に隠れがちであり、国民への周知は不十分である。審議の過程でも国民負担増に対する根拠ある説明はなされておらず、採決に至る条件は全く整っていなかった。さらなる慎重審議が必要であることは明白である。

  4. しかるに森英介・厚生労働委員長は公正な議事運営を怠り、与野党の合意がないまま委員会を開会し、与党三党のみによる強行採決を容認した。厳正、中立、公正を期すべき森委員長が与党のみに加担した暴挙は許し難い。

  5. 社会民主党は、制度改革による財源の捻出なしに国民に新たな負担を求めることはできないことを一貫して主張してきた。今回も国民負担が先行し、制度改革は先送りという悪しき手法が繰り返されたことについて、小泉内閣を厳しく糾弾するとともに、健保法廃案に向けて断固たる行動をとる決意である。