2002年7月25日

健康保険法改正案の強行採決を糾弾する(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂

  1. 本日の参院厚生労働委員会で、与党は中央公聴会さえ設定せず、審議不十分のままで健康保険法改正案を強行採決した。衆院厚生労働委員会、衆院本会議に続く三度目の強行採決は、議会制民主主義を根幹から揺るがし、国会を軽視する与党の姿勢を際立たせると共に国民の多くが懸念する負担増を力づくで、強制するものである。このような採決など到底、認めることはできない。倉田寛之参院議長は、直ちに法案を委員会に差し戻し、公聴会開催を含めて審議のやり直しを指示するべきである。

  2. 参院段階の審議では、宮路和明・前副大臣による後援者親族の受験口利き疑惑が明るみになった。公共事業をめぐる「政官業癒着」構造と同様、医療制度をめぐっても行政と族議員、特定医療団体などの癒着関係と不透明さは、かねてから指摘されてきた通りである。はからずも今回の問題は、負担増を押し付ける以前の問題として抜本的な医療制度の改革に取り組む必要性があることを示した。にもかかわらず与党は、宮路前副大臣の参考人招致を拒み、口利き疑惑の解明にまたもや背を向けた。

  3. 言うまでもなく、改正案はサラリーマンの窓口負担を大幅に増やすものであるだけに、慎重な上にも慎重な審議を重ねることは大前提のはずであった。最低限の条件さえ平気で踏みにじり、約束したはずの改革は先送りするという悪しき手法を繰り返す小泉内閣と与党に、これ以上政権を委ねることはできない。社民党は、小泉内閣を厳しく糾弾すると共に、国民の健康と安全、安心が保障される医療制度の改革に真剣に取り組んでいく。

以上