2002年4月5日

武部勤農相の問責決議案採決について(談話)

社会民主党 幹事長
福島瑞穂

  1. 本日、参院本会議で野党が共同提出した武部勤農相に対する問責決議案が自民、保守両党の反対、公明党の採決欠席によって否決された。BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)問題で、責任者としての自覚を欠く暴言を繰り返してきた武部農相に、大臣としての資格がないことは野党にとどまらず、生産者、流通業者、そして消費者の圧倒的多くが痛感していることは明白である。にもかかわらず、武部農相を事実上信任した与党の姿勢は、国民を愚弄するものだと言わざるを得ない。

  2. 2日に発表された「BSE問題に関する調査検討委員会報告」は、1996年にWHO(世界保健機構)から肉骨粉禁止勧告を受けながら、行政指導にとどめた農水省の姿勢を「重大な失政」だと断じ、昨年のEUのステータス評価に対し、評価の中断を要請したことも「政策判断の間違いだった」と認めた。危機管理意識の欠如した農水省が、食肉にとどまらず、食品全体への安心感、信頼感を取り戻していくためには、大臣を含めて人心を一新した上で抜本的な改革に取り組むべきである。

  3. 問責決議案への賛否をめぐり、与党内の足並みが乱れたことは、BSE問題そのものに対する与党の混乱と無責任さを浮き彫りにした。また、一貫して武部農相を「続投させる」としてきた小泉首相の態度も、食に対する国民の不安解消よりも自らの政権の延命を重視したものだ。社民党は、野党四党が準備する「緊急措置法案」の早期成立に努力し、感染源の早期特定を含む万全なBSE対策、消費者の権利を最優先とした食の安全確保に全力を挙げる。

以上