2002年3月6日
2002年度予算案の衆院通過にあたって(談話)
社会民主党 幹事長
福島瑞穂
- 本日、次年度政府予算案が衆院の予算委員会と本会議において、与党三党の賛成によって可決した。野党は、北方四島支援事業をめぐる入札関与など予算執行に深く関わる自民党の鈴木宗男衆院議員の疑惑解明に努め、鈴木議員の証人喚問が衆院で予算案審議を深めていく前提であると主張してきた。この正論を無視し、予算案の年度内成立だけに奔走する与党の姿勢は、国会審議を著しく軽視するものと言わざるを得ない。11日の証人喚問前に職権で委員会採決を決めた津島雄二・衆院予算委員長と共に厳しく糾弾されなければならない。
- 鈴木議員をめぐる疑惑は、内部調査の限界を露呈した外務省の調査報告書にとどまらず、外務省人事への介入や地元予算の執行凍結にまで及んでいる。行政に圧力を掛けて事業に関与した上、受注企業から献金を受け取るという典型的な政官業の癒着構造を放置したまま、予算を成立させ、金権腐敗体質を温存することは許されない。社民党は、証人喚問及び参院での審議において鈴木議員をめぐる疑惑の徹底解明に一層の力を注ぐと同時に、構造改革を一枚看板にしながら政治改革に背を向ける小泉首相の責任も追及していく。
- 次年度予算案は、小泉首相の「国債発行枠30兆円」の公約を表面的に維持するために「隠れ借金」の手法を持ち出しているだけでなく、現下の深刻な経済、雇用情勢を無視するかのように、国民に負担増と痛みだけを強いるものである。予算案審議中に政府がデフレ対策を打ち出したことも、予算案自体が景気回復に寄与しないことを自ら認めたに等しい。社民党は国民の期待から大きくかけ離れた政府予算案に対し、野党4党が共同で策定した組み換え要求実現を柱に、国民の雇用、生活、そして将来不安の解消に向けて万全の対策が講じられるよう全力を挙げる。
以上