2002年1月29日
与党による衆議院予算委員会、本会議の強行採決を弾劾する(声明)
社会民主党
- 通常国会冒頭、またしても憲政史上に汚点を残す暴挙が行われた。昨日の衆議院予算委員会、財務金融委員会に続く本日の衆議院本会議における野党が欠席した中での自公保3党による強行採決である。外務省による、アフガニスタン復興支援会議へのNGOの出席拒否への政治家の関与、という政治のあり方が基本的に問われる問題について、政府自らが「外務大臣と事務当局の答弁には相違がある」と認めざるを得ない事態に対して、事実の究明を放棄し、野党との協議も不十分なまま委員会の開会と採決を強行し、さらには本会議までも一方的に開催して採決を強行したことは、国会と国民を愚弄し、議会制民主主義を真っ向から否定する暴挙以外のなにものでもない。社民党は、通常国会冒頭から暴挙に暴挙を重ねる政府与党を満身の怒りを込めて弾劾する。
- 事態収拾のためとして昨日示された政府見解、本日示された申述聴取結果は、むしろ政府内部の混乱を露呈し、おざなりで矛盾に満ちたものであり、到底受け入れがたいものであった。同時に、政府見解にはNGO排除について鈴木宗男衆院議院運営委員長の意向が働いた可能性があることを認めた「別物」が存在していたことも明らかになっている。また、「女性の涙は最大の武器だから」などと女性蔑視の発言を行い、「たいした問題ではない」と開き直る小泉首相の態度は、問題の重大さを理解せず、支持率の高さにあぐらをかいた傲慢さを表したものである。外務官僚の肩を持ちながら第三者を決め込む福田官房長官とともに、小泉内閣の責任は極めて重大である。
- また、強行採決された第2次補正予算は、それ自身手続きにおいて「瑕疵あるもの」となった。使途の限定された財源による今回の補正は、緊急を要する雇用対策や国民生活の安定にはなんら役に立たないばかりか、景気回復とも無縁のものである。今回の補正予算の編成そのものが1次補正の不備を認めたことにほかならず、政府の責任が問われる問題である。
- 通常国会冒頭における今回の暴挙は、相も変わらず数を力に国会を乗り切ろうという小泉内閣と与党の本性をあからさまにしたものと言わなければならない。国会の空洞化という、国民の厳しい批判に耳を貸すことなく、審議を無視して自らの意思を押し通そうとするならば、国会の混乱は必至であり、その責任はすべて小泉内閣と与党に帰するものである。
- 社民党は、他の野党と結束し、本問題の事実解明と、責任追及に全力をあげるとともに、このような事態を招いた小泉内閣と全面的に対決し、その責任を厳しく追及するものである。