2003年1月27日

補正予算案の衆院予算委採決にあたって(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂

  1. 本日、衆院予算委員会で今年度補正予算案が与党の賛成多数で可決された。バブル崩壊後の最安値を更新し続ける株価の低迷、5%台の高止まりの失業率、四年連続で三万人を突破した自殺者数に象徴されるように、小泉内閣が進める構造改革のもとでデフレ不況は深刻化の一途をたどっている。しかしながら、政府の補正予算案は、従来型の省庁別による積み上げ方式に基づき、来年度予算案での減少分を前倒しするかのように公共事業費に一・五兆円を充てた。現在の厳しい雇用、経済状況を顧みず、景気回復と生活の安定を望む国民の期待を裏切るものと指摘せざるを得ない。

  2. 経済財政諮問会議が今月20日に取りまとめた「改革と展望」ではデフレの集中克服期間を、予定していた今年度末までから、さらに二年間延長した。「これ以上の痛みは受け入れられない」とした悲鳴に近い声が六割を上回るような世論調査の結果さえある中、政府はさらに「痛み」を上乗せしようとしている。小泉構造改革というデフレを深刻化させてきた要因が、デフレ克服の処方箋となるわけがないことは、もはや明白である。政府は、一般財源からの積極的な財政出動を伴う雇用・失業対策、貸し渋りや貸し剥がしに対処した特別信用保証の復活などの中小零細企業対策にこそ、真剣に取り組むべきである。

  3. 予算委員会の審議で小泉首相は、あれほどこだわってきたはずの「国債発行30兆円枠」という公約を破ったことについて「たいしたことではない」と言い放った。また、中村喜四郎元建設相の有罪確定やゼネコンからの献金による自民党長崎県連役員の逮捕など、自民党の金権腐敗・政官業癒着体質が再び浮き彫りになる中、公共事業からの献金規制に対して「法律をいくら作っても、法律に違反するようではどうしようもない」と開き直った。国会を軽視して居直りを続け、国民に対しては説明責任を果たさない首相の姿勢は言語道断である。社民党は、引き続く参院での審議において、雇用・中小企業対策の強化に向けて他の野党と協力すると共に、今国会での雇用継続保障法や均等処遇の法制化などに全力で取り組んでいく。

以上