2003年3月4日

リクルート事件東京地裁判決について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂

  1. 本日、リクルート事件で政官財界に未公開の五万三千株を譲渡し、贈賄罪に問われた江副浩正被告に対し、東京地裁は執行猶予付きとはいえ、懲役三年の有罪判決を下した。政治家、企業、そして行政のそれぞれが判決の意味するところを重く受け止めなければならない。

  2. リクルート事件は、政界、労働省、文部省、NTTの四つのルートに渡った一大汚職事件であり、政界ルートに限っても、譲渡された未公開株と政治献金を合わせ、四十人以上の国会議員に十億円以上の資金が流れたといわれる。政官業癒着の典型であるこの事件から、すでに十三年以上が過ぎようとしているが、今国会でも大島農水大臣秘書による口利き疑惑、長崎県連違法献金事件が大きな問題に浮上している。さらに本日、自民党の坂井隆憲衆院議員の秘書らが政治資金規正法違反の疑いで逮捕された。繰り返し表面化する自民党議員の疑惑は、十三年間の間に自民党の政官業癒着・金権腐敗体質が解消に向かうどころか、構造的なものとして以前よりも強固になっていることを示すものである。

  3. また、日本経団連は、一九九三年に廃止した政治献金のあっせんについて事実上再開する方向で検討を開始したとされる。政治家に対する献金を通じて発言力を高め、特定の利益を得ようとする体質が、企業側にも依然として根強く残っていることも大きな問題である。

  4. 小泉首相は、公共事業受注企業からの献金規制について「法律をいくら作っても、法律に違反するようではどうしようもない」と開き直り、国民の政治不信を助長させている。社民党は、改革を旗印にしながら自民党の体質を改革することには目もくれない小泉首相の姿勢を厳しく批判するとともに、政官業癒着構造を断ち切るため、公共事業受注企業からの献金規制やあっせん利得処罰法の改正強化を実現するため、全力を挙げる決意である。