２００３年３月６日
坂井隆憲衆院議員の逮捕許諾にあたって（談話）
社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂
- 本日、衆院本会議で、坂井隆憲衆院議員に対する逮捕請求が許諾された。一億二千万円にのぼる巨額のヤミ献金をめぐり、すでに政策秘書らが逮捕されているが、国会議員をめぐる事件であるだけに、司直にのみ事件の解明を委ねるのではなく、関係者の参考人招致や証人喚問などを通じ、国会の責任において資金の流れ、事実関係の究明を図ることが不可欠である。また、坂井議員は直ちに議員の職を辞するべきである。
- 坂井議員は、大蔵省入省後に国税調査官や税務署長を務めている。そのような人物が巨額の裏金作りに関与するようでは、真面目な納税者はあきれ果て、政治への不信感を強くするばかりである。また、人材派遣業者からのヤミ献金は一九九七に始まったとされるが、坂井議員が労働政務次官に就任したのが九六年、労働者派遣法改正が九九年であり、献金が行われていた時期と派遣業の規制緩和が進められた時期がほぼ一致している。ヤミ献金の「対価」が一体何であったのか、献金が坂井議員一人にとどまっていたのかどうか、逮捕を持って事件に終止符を打つのではなく、徹底的な解明が必要である。
- 捜査は始まったばかりだが、問題は坂井議員個人にとどまるものではない。一昨年のＫＳＤ事件、昨年の鈴木疑惑に引き続き、大島農水相の元秘書による政治献金流用疑惑、長崎県連の違法献金事件、そして今回の事件と、立て続けに繰り返される事件や疑惑が自民党の政官業癒着・金権腐敗体質そのものの問題であることは、もはや誰の目にも明らかである。
- 小泉首相は、改革を旗印にしながら政治改革、口利き・金権腐敗という自民党体質の改革には背を向け、自民党に関係する数々の疑惑に対し、他人事のような姿勢に終始してきた。自民党総裁でもある小泉首相の責任は、厳しく問いただされなければならない。社民党は、事件の徹底解明とともに、「待ったなし」となっている公共事業受注企業からの献金規制などを今国会で実現させ、政官業癒着構造を断ち切るために全力で取り組む。