2003年5月17日

りそなグループの公的資金注入申請について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂

  1. 大手金融機関のりそなグループが、政府に公的資金注入を申請する方針を固めたことを受け、本日中にも金融危機対応会議が開かれ、一兆円を超える公的資金の投入により、実質国有化される見通しとなった。深刻なデフレ不況や小泉政権発足以来、約半値にまで下落した株価の低迷を放置し、何ら有効な景気・雇用対策を打ち出してこなかった小泉内閣の経済無策が招いた結果であり、その責任を厳しく問わざるを得ない。

  2. この間、金融機関が不良債権を処理しても、デフレの進行で処理額を上回るような新たな不良債権が発生してきた。株価の低迷がこれに拍車をかけてきたことは明白である。にもかかわらず、政府が行なおうとしている対策は、厚生年金基金の代行返上時期の前倒しと物納条件の緩和など「小手先の株価対策」にすぎないばかりか、郵貯や簡保、年金基金による株運用の拡大など、国民資産を株価維持につぎこむような危険な方向に進もうとしている。デフレを加速化させて消費を冷やし、国民に「痛み」だけを押し付ける小泉構造改革の転換を図ることこそ、いま最も重要な対策だと指摘する。

  3. 今回の問題は、りそなグループの自己資本が「かさ上げ」されていたことに端を発したことを考えれば、政府は、大手行の不良債権の的確な査定と情報開示を、まず徹底すべきである。その上で、公的資金の注入、事実上の国有化にあたっては、政府が銀行の経営責任を厳しく問い、同時に注入分を血税による新たな国民負担へと転化させない責任を負うべきである。過去の例のように、経営不振企業向けの不良債権は国民負担で処理し、優良債権分を外資に安く提供するような措置が取られることは許されない。また、りそなグループは傘下に旧地方銀行を抱えていることからも、地域経済への影響を回避し、中小・零細企業の破たんを招かないような万全の支援策を講ずることも、政府の責任であることを指摘する。

以上