2003年6月2日

「創氏改名」をめぐる麻生太郎・自民党政調会長の発言について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂

  1. 報道によれば、自民党の麻生太郎政調会長が5月31日、東京都内での講演で、日本による朝鮮半島の植民地時代に朝鮮総督の命令で同化政策、皇民化政策の一環として実施された「創氏改名」について、「朝鮮の人たちが『名字をくれ』と言ったのがそもそもの始まりだ」などと述べ、隣国と歴史認識を共有化することは困難だとする姿勢を示したとされる。すでに韓国政府が謝罪を求める声明を発しているように、歴史的事実を歪曲し、日本の植民地政策を肯定しかねないような発言は、厳しく批判されなければならない。

  2. 韓国の盧武鉉大統領の訪日を一週間後に控えた中での今回の発言は、朝鮮半島及び在日の方々の感情を深く傷つけ、信頼を損ねる、与党幹部にあるまじきものである。また発言は、1996年の橋本龍太郎首相(当時)の「創氏改名」についての謝罪、「両国が過去を直視し相互理解と信頼に基づいた関係を発展させていく」とした98年の日韓共同宣言、さらには中学歴史教科書問題や小泉首相の靖国参拝などを受け、日韓両国で合意した「歴史共同研究」に水を差すものと言わざるを得ない。

  3. 社民党は、今回の発言に対し、自民党と内閣の見解をただしていくと同時に、政府が正しい歴史認識に基づき、近隣のアジア諸国と友好・信頼関係を築いていくことを強く求めるものである。

以上