2003年6月13日

イラク支援特措法案、テロ特措法延長の閣議決定について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂

  1. 本日、政府はイラクに自衛隊を派遣することを柱としたイラク復興支援特別措置法案を閣議決定した。イラク戦争の「大義」であったはずの大量破壊兵器の存在、テロ組織との関連性さえ、いまだに明らかにされない中、自衛隊派遣の実績づくりだけを目的とするような法案は、断じて認めるわけにはいかない。

  2. 政府がイラク特措法案の根拠とする国連安保理決議1483は、加盟国に復興支援への協力を呼びかけているものの、決して軍事力による貢献を求めたものではない。にもかかわらず、自衛隊の海外派遣には不可欠であったはずの「受入国の同意」を欠き、米英両軍の占領統治下にあるイラクへ自衛隊を派遣することは、「後方支援」であろうとも、憲法9条が禁ずる交戦権の一部を行使することにほかならない。

  3. イラク特措法案は、自衛隊の活動領域を「非戦闘地域」に限定するとしているが、イラクの治安の現状からすれば安全な地域を特定することなど不可能だと言わざるを得ない。また、テロ対策特措法でさえ除外してきた米英両軍の武器・弾薬、兵士を輸送する任務を自衛隊に与えることは、武力行使との一体化、集団的自衛権の行使につながることは明白である。

  4. 社民党は、「自衛隊派遣・米軍支援ありき」に立ったイラク特措法案の成立に断固として反対する。同時に、政府が非軍事・人道的支援に徹し、イラク国民を主人公とした国家の再建が一日も早く成し遂げられるよう、復興支援の枠組みを国連中心へと転換する外交努力にこそ力を注ぐことを強く求める。

  5. また、政府は同時にテロ対策特措法の期限延長も閣議決定した。自衛隊のこれまでの活動の詳細、イラク戦争に参戦した米艦船への給油問題、今後の活動の必要性などが一切明らかにされないまま、自衛隊派遣を自動的に延長することなど、審議の対象にさえならないことは一目瞭然である。会期末まで残りわずかという中、このような法案をなし崩し的に国会提出しようとする政府・与党の姿勢は、国会を軽視した無責任極まりないものと、厳しく批判する。

以上