2003年8月25日
住基ネットシステムの本格稼動に際して(談話)
社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂
- 本日、住民基本台帳ネットワークシステムが本格稼動することとなった。東京の杉並区と国立市、福島県矢祭町が現在も参加を見送り、横浜市でも85万人の市民が接続を希望しない状態にある。さらに神奈川県藤沢市、東京・目黒区では審議会が接続中止を求める住民の主張を容認する答申を出し、長野県も国との接続の在り方を見直す方向である。政府は、全自治体の「完全参加」とならなかった背景にある住基システムへの不安、問題点を重く受け止めるべきである。
- 特に、情報を管理する市区町村の庁内LAN(構内情報通信網)の安全性やインターネットへの接続による不正アクセスの危険性に対する疑問がいまだに払拭できていない。また、個人情報保護条例を制定していない自治体が存在していることからも、情報の「のぞき見」、安易な情報提供や流出の可能性も排除できない。
- 自治事務である住基ネットシステムに対する責任は、一義的に市町村が負うものである以上、国が不参加の自治体、住民に参加を強制することは許されない。また各自治体が安全性を考慮し、住基ネットに接続させない取り組み、アクセス記録の保存と開示、セキュリティの向上などに独自に取り組む必要性があることも指摘せざるを得ない。
- 社民党は国会のレベルにおいても、住基ネットシステムに不安を抱く多くの市民や自治体労働者と連携しながら、ネットワークシステムの凍結・廃止を念頭にシステムの監視と問題点の追及に取り組むと同時に、自治体の自治権発揮を支援していく。
以上