2003年10月15日
イラク復興の費用負担表明について(談話)
社会民主党全国連合
幹事長 福島瑞穂
- ブッシュ米大統領の訪日を直前に控えた本日、福田康夫官房長官がイラク復興の費用負担について来年度分として15億ドル(約1650億円)を拠出すると発表した。先の臨時国会で、わが党が費用負担について再三にわたって問いただした際に、小泉首相と政府は詳細についての言及を避けてきた。使途を含めた説明責任を欠いたまま、一方的に巨額の負担に応じることは、国会と国民を愚ろうするものである。
- そもそも、イラク戦争は国連憲章や国際法を無視し、米英両国が平和的解決の道を閉ざして武力行使に踏み込んだものである。大義であったはずの大量破壊兵器は発見されず、いまなお戦闘状態が続く現状について国連のアナン事務総長が厳しく批判し、米国内においても「開戦は誤りだった」とする世論が過半数を超えようとしていることは周知の通りである。戦争の正当性が改めて問われている今日、ブッシュ大統領の訪日に合わせて費用負担に応えることは、政府の米国追随の姿勢を際だたせるものである。わが党は、正当性も根拠もない戦費負担、占領費負担に断固として反対する。
- 報道によれば、来年度の15億ドル負担を含め、政府は4年間で総額50億ドル(約5500億円)を拠出するとされている。一方、EUは初年度分として2億ユーロ(約260億円)を拠出し、それ以降は白紙の状態と言われており、費用負担には大変慎重な姿勢である。EUのほぼ20倍におよぶ巨額の費用負担は、小泉首相がかねて強調してきた「国力に応じた負担」「国際協調」の観点から見ても、到底納得できるものではない。社民党は、政府が自衛隊のイラク派遣と使途の明確でない費用負担を断念し、復興支援の役割を国連中心に転換させ、国連の枠組みのもとで非軍事・人道支援に取り組むべきことを改めて主張する。
以上