2003.12.18

自衛隊イラク派遣の実施要項について(談話)

社会民主党
幹事長 又市征治

  1.  小泉首相は本日、閣議決定したイラクへの自衛隊派遣の基本計画に基づいて防衛庁が決定した「実施要項」を承認したとのことである。基本計画の決定を受けて、先日閉会中審査が行われたが、「非戦闘地域」の特定や派遣時期、自衛隊の任務などについて小泉首相はじめ政府は何一つ具体的内容を明らかにすることはなかった。国民への説明責任を欠いたまま既成事実を積み重ねて、実施要項を決定することは国民無視の暴挙と言う以外にない。

  2.  イラクの現状は、フセイン元大統領の身柄拘束後も治安は悪化、全土が「戦闘地域」となっていることは明白であり、「イラク特措法」にいう「非戦闘地域で安全なところ」など存在しないのが実態である。「基本計画」や「実施要項」が、「イラク特措法」にすら違反しているのは明らかである。反米感情の渦巻くイラクに米英に加担して自衛隊を送ることによって、自衛隊そのものがテロやゲリラの標的となる可能性も高い。

  3.  国民の圧倒的多数は、自衛隊のイラク派遣に反対し、懸念を抱いている。国民世論に背を向け、イラクの現実を無視し、虚構と詭弁、強弁、すり替えによって自衛隊の派兵を強行するのは米国への協力と追随以外のなにものでもない。憲法に違反し、自衛隊員を危険にさらすイラク派兵は直ちに中止すべきであり、「基本計画」「実施要項」は撤回すべきである。