2003年12月22日

行刑改革会議の提言について(談話)

社会民主党全国連合
幹事長 又市征治

  1. 本日、法務大臣の私的諮問機関である「行刑改革会議」が提言を発表した。受刑者の人権を保障し、刑務官の労働条件を向上させることは、受刑者の社会復帰と犯罪の防止につながり、ひいては国民社会全体の利益の向上に資するものであり、高く評価したい。この提言に基づいて政府・法務省が、監獄法改正案を国会に提出することを強く希望するものである。

  2. 同会議は、昨年10月以降発覚した名古屋刑務所の刑務官による暴行事件と、その後の社民党をはじめとする各党国会議員の追及、日弁連・アムネスティ・監獄人権センターなどの民間諸団体の要請により、今年3月に設置されたものである。提言のうち、「軍隊式」行進や居室での正座強制などの見直し、外出制度、友人・知人との面会、土・日曜日の面会、電話の使用、「刑事施設視察委員会」の設置などを求めていることは、一歩前進の改革として評価できる。

  3. しかし、外部交通の拡大には「受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰に有益な場合」との留保がつけられ、矯正医療の厚生労働省移管が将来の課題とされ、被収容者の死因確定手続への法医学者の関与が否定されるなど、不十分な点も散見される。

  4. 社民党は、今後とも同提言の不十分な点は補足しつつ、被拘禁者と刑務官の基本的人権の保障を求めて、監獄法の改正に取り組んでいく。

以上